動脈硬化とは

喫煙は肺癌だけでなく動脈硬化の危険も増やします。

肺がんだけでなく、動脈硬化のリスクも増やしてしまうタバコ。危険因子が多い人は動脈硬化の検査を検討しましょう

動脈硬化とは、動脈の壁が異常に厚くなったり硬くなったりした状態のこと。もっとも問題になるのは大きな動脈に見られる「粥状(じゅくじょう)動脈硬化」と呼ばれる病変です。

少し専門的な解説になりますが、粥状動脈硬化は、タバコなどの危険因子の刺激で動脈の内側を覆う細胞が傷つけられることで、動脈の壁の中にコレステロールが蓄積することから始まります。そこに血液細胞が集まって動脈の壁の中にある筋肉の細胞や線維が増えると、動脈の壁にプラークと呼ばれる隆起を作られてしまいます。これによって血液の通り道が狭くなったり、突然プラークが破裂して血液の塊が血管に詰まったりすることがあるのです。この流れで引き起こされる大きな病気が、皆さんもご存知の狭心症、心筋梗塞、脳梗塞など。

冠動脈という心臓に血液を送る血管が狭くなると狭心症、詰まってしまうと心筋梗塞が起きます。この2つを併せて冠動脈疾患と予備ます。脳の血管が詰まってしまうと脳梗塞になります。動脈硬化は命に関わる病気の引き金となる、怖い病変なのです。

動脈硬化の症状・診断法

動脈硬化自体はひどく進行しない限り症状がありません。症状のない時点で動脈硬化を客観的に調べる検査法としては、「動脈脈波速度(PWV)」と「頚動脈エコー」の2つがあります。

■動脈脈波速度(PWV)
心臓から血液が拍出されるときに生じる振動波は全身の血管を伝わっていき、これを脈波と言います。この波はしなやかな血管ほどゆっくりと伝わり、硬い血管ほど速く伝わる性質があります。これを利用して動脈の硬さを評価する検査が動脈脈波速度(pulse wave velocity ; PWV)。専用の機械で、両方の二の腕と足首の合計4箇所に血圧計を巻いて測定することで、動脈の硬さの異常がないかを検査します。

■頚動脈エコー
頚動脈の壁の肥厚度は全身の動脈硬化度を反映すると言われています。そのため比較的浅いところを走行している頚動脈を超音波で詳細に測定することで、動脈硬化の度合いを知ることができます。頚動脈エコーの利点は、血管の壁の厚さだけでなく、血管の形態や性状についても検査できることです。

上記2つの検査はどちらも簡便で、短時間で苦痛を伴わないのが特徴。外来診療で受けることができるので、動脈硬化の危険因子を多く持っている人にはお勧めしたい検査です。

具体的な動脈硬化性疾患の疑いが強いとわかった場合は、血管造影検査や血管内視鏡検査、CT、MRIなどといった、より専門的な検査が必要になります。


動脈硬化の原因、危険因子

動脈硬化は年齢とともに進行しますが、その他の動脈硬化を進行させる要因として以下の危険因子が挙げられます。
  • 高血圧
  • 脂質異常症(とくに高LDLコレステロール血症、低HDLコレステロール血症)
  • 糖尿病
  • 喫煙
  • 男性
  • 家族歴(血縁の方に動脈硬化に関連する病気の人がいる)
など。日本の疫学調査研究でも、高コレステロール血症や高LDLコレステロール血症とは、冠動脈疾患や脳梗塞と密接に関係していると明らかにされています。dさらに、高LDLコレステロール血症を治療することでこれらの疾患を予防できることもわかっています。
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