卵巣の中に分泌液がたまって腫れてしまう
卵巣嚢腫
卵巣嚢腫はこんなイメージ! |
右のイラストを見てください。向かって右側が正常な卵巣。左側が卵巣嚢腫のある卵巣です。卵巣嚢腫とは「卵巣の中に分泌液がたまって腫れてしまうもの」で、イメージとしては、ぶよぶよした水風船みたいなものですね。たまる液体の種類によって皮様のう腫、偽ムチンのう腫、しょう液性のう腫の3種類に分けられます。
治療は、大きく分けて経過観察と手術の2通りですが、大雑把に言って、鶏の卵以上くらいの大きさになると手術することが多いようです。
ちなみに卵巣嚢腫の早期発見には、検診が一番になります。
年齢に関わらず性体験があるヒトは要注意
子宮頸がん
子宮の入り口にできる癌が子宮頚癌 |
子宮には頚部と体部があります。入り口の部分にできるのが子宮「頚」がん。もともと日本人は子宮頚癌のほうが多く、子宮頚癌と子宮体癌の割合は9:1くらいでした。ところが最近は子宮体癌がだんだん増えてきています。
子宮頚癌は40歳代に最も多い(40%くらい)のですが、たとえ10代でも安心はしていられないのです。
なぜかといいますと、子宮頚癌を引きおこす原因にヒトパピローマウイルス(HPV)というイボをつくるウイルスの一種がかかわっている可能性が高いからなのです。
そして、HPVは性交渉によって感染するといわれているので、性体験があるヒトはだれでも年齢に関わらず要注意になります。ちなみに子宮頚癌はいままで取り上げてきた病気と違って、「出産回数が多い」ほうがなりやすいのも特徴です。あとは「性体験の回数が多い」ヒトも注意が必要です。
ちなみに病気が進行すると「不正出血(生理でもないのに血が出る」「性交渉のあとに血が出る」なんてことがありますが、最初は無症状。
癌を発見するためにはめん棒やブラシで子宮頚部を軽くこすって、癌細胞がいないかどうかたしかめる「細胞診」という簡単な検査があります。痛くないので麻酔も要らない簡単な検査です。企業だと健康診断に入っていることもありますが、産婦人科だったらどこでも大丈夫です。1年に1回は受けましょう。
またHPVに感染しているかどうかはおりものをしらべる検査(保険適応外ですが)があります。
癌が進行すれば、それだけ子宮や回りの臓器を広く手術でとらなければならなくなるため、早期発見が重要です。
*1厚生省心身障害研究:リプロプロダクティブヘルスからみた子宮内膜症の実態と対策に関する研究
参考文献 婦人科学 第9版 (金芳堂 杉山 陽一著)