普段あまり意識することのない「おりもの」。自分の健康状態を知るためにも、正常な状態を知っておきましょう
一言で「おりもの」といっても子宮由来の粘液や膣からの分泌物、古い細胞、会陰部にあるバルトリン腺から分泌された液や皮脂腺、汗腺由来のものなどさまざまなものを含みます。
おりものの量や性質には個人差があるので、自分の普段の状態をよく知ることで、健康管理に生かすことが大事です。
おりものの役割
おりものの役割は大きく2つに分けられます。■ 雑菌の進入を防ぐ
第一の役割は膣の中に雑菌が入るのを防ぐこと。膣の入り口と肛門の位置は近いため、大腸菌などの細菌を侵入させないように防ぐ必要があります。排卵期以外は菌が苦手とする酸性のおりものを出すことで、膣内の清潔を保ちます。
■ 精子の受精を助ける
排卵期はおりものの性質が変わり、膣内がややアルカリ性になります。酸に弱い精子の進入を助け、受精しやすくさせるためです。
おりものと月経周期
おりものは女性ホルモンと深いかかわりがあるので、その量や状態は月経周期や年齢につれて変化します。■月経直後のおりもの
一般的に月経直後はさらっとして粘り気がなく、量も少なめです。
■排卵前のおりもの
排卵期に近づくにつれ、精子の進入を助ける子宮頚管からの分泌液が増えるため、排卵期にちょうど量のピークを迎え、性状も卵の白身のように糸を引く、透明で粘りのある液体に変わります。
■排卵後のおりもの
排卵期を過ぎるとおりものの量は再び減り始め、次第に白濁したものになります。月経直前に再び少し量が増えることが多いようです。
■妊娠中や年代によるおりものの差
女性ホルモンのかかわりが深いので、女性ホルモンの分泌量が増える妊娠中には量が増えます。また同じ理由で、更年期~老年期になるにしたがってだんだん減少します。
注意しなければならないおりもの
- あまりに量が多い
- 悪臭がする
- 白いカッテージ・チーズのようなかすがある
- かゆみを伴う
- 膿のようだ
- 黄色~茶褐色である
上記のようなおりものの場合、菌の感染や悪性疾患を疑う必要があります。婦人科などの医療機関を受診してください。