女性の身体のサイクルとその特徴
月経が始まってからの「低温期」と、排卵後の「高温期」に大きく分けられる女性の身体のサイクル。低温期の最終日で体温がさらに下がる日付近が排卵日と考えられている
女性のからだの中では1ヶ月で大きな変化が起こっています。その変化は基礎体温をつけることで知ることができます。サイクルは大きく分けると月経期→低温期→排卵期→高温期→(月経期)の繰り返し。大きな流れは以下のグラフをご覧ください。
■月経期
赤ちゃんのために準備した子宮内膜が剥がれ落ちる時期
■低温期(卵胞期)
卵巣の中で赤ちゃんの元である卵胞が成熟する時期。卵胞ホルモン(エストロゲン)が増加してくるので、新陳代謝が活発になり、一般的に女性にとって調子の良い時期になります。肌の調子やメンタル面も元気なことが多いようです。ダイエットをはじめるのに向いている時期ともいえるでしょう。
■排卵期
卵巣の中で成熟した卵が卵胞から飛び出してくる時期。この時期は個人差が大きく一概に言えませんが、からだのなかで急激な変化が起こるので、人によっては眠くなったり、お酒に酔いやすくなったりすることも。自分でなんとなく排卵日がわかるという方も多いようです。
■高温期(黄体期)
卵が飛び出した後の卵胞が黄体という脂肪の多い組織に変化する時期。排卵後、次の月経が来るまでの時期と言い換えることもできます。卵胞ホルモン(エストロゲン)と同時に黄体ホルモン(プロゲステロン)が多く分泌されます。この時期は女性にとって過ごしやすい時期ではありません。黄体ホルモンの影響で腸の蠕動運動が弱くなり、便秘になりやすくなる他、黄体ホルモンは同時に体に水を溜め込む性質があるので、体全体が非常にむくみやすくなり、ますます身体が重くなったりします。お肌の調子もあまりよくなかったりと、ストレスもたまりがちです。
あまりに不調がひどい場合は、月経前症候群(PMS)と呼ばれます。月経前症候群とは、生理の約2週間前から起こるココロとカラダのトラブルの総称です。低温期は卵胞が成熟するにしたがって卵胞ホルモン(エストロゲン)、高温期は黄体がさかんに黄体ホルモン(プロゲステロン)という女性ホルモンを分泌するため、からだはその影響を強く受けることになります。
基礎体温の計り方
基礎体温は0.5度程度の微妙な変化で計ります。身体を動かした後だと正確に記録できないので、毎日決まった時間、できれば朝起きあがって動く前に、ベッドの中に横たわったまま計るようにしましょう。通常の小数点以下2ケタまでが計れる基礎体温用の目盛りの細かい婦人体温計は薬局で購入できます。これを折れ線グラフにすると、1ヶ月のサイクルの中で自分がどこにいるのかを知ることができ、排卵がきちんと起こっているか、妊娠したかどうかなども大体判定することができます。自分のからだのリズムを知るために、つけてみるとよいでしょう。