低体温を改善する食生活のポイント
食生活の面で、低体温を改善するポイントをご紹介しましょう。今、生活習慣病予防のためにも国をあげて取り組みが進んでいるのが、夜型生活から朝型生活へのシフト、そして朝食を抜かない生活の推奨です。朝食は脳にエネルギーを与えるだけでなく、睡眠中に下がった体温を上昇させ体の様々な機能が活動しやすいにように導く役目があります。また夜型生活をリセットすることにもつながります。朝食を抜くと午前中の体温が上がりにくくなり、学習や労働意欲の低下、能率の低下、さらには疲労の度合いが強くなることも報告されています。
特に現代の子どもや若い世代は、塾通いや残業のために夕食が遅くなったり、カロリーの高い夜食やスナック類を寝る前に食べるなど、夜型生活になることで、朝食を抜きがち。国民栄養・健康調査では、朝食欠食の状況を年次推移で見ると、男女ともに高くなる傾向があります。児童の朝食欠食は やや改善傾向にありますが、平成19年では、男性は30歳代で最も高く約3割、女性は20歳代で最も高く約2.5割となっています。
また低体温や冷えが気になっている時には、あまり冷たいものばかりガブガブ飲むのも避けたいもの。体を冷やしてしまうので、寒い時期だけでなく暑い季節でも、なるべく温かい料理や飲み物を取るようにしたいものです。(ただしのぼせやすい人もいるので、各体質によって判断する必要があります)
最近は寒い季節でも暖房の効いた部屋でアイスクリームを食べる人も多いそうですが、冷たく糖分の多く含まれた食品は体を冷やしがち。暑い国で収穫される南国産フルーツなども体を冷やす作用があります。元気な時には影響がなくても、疲れた時や冷えている時は控えめにしましよう。
無理なダイエットなどで栄養素不良でも基礎代謝が低下して体温が上がりにくくなります。栄養バランスがとれた食事をするのが大切なことはもちろんですが、冷えが気になる時は、唐辛子や山椒、生姜、カモミールやサフランなどのハーブなど、カラダを温める食材や温かい鍋・汁料理を食べる等して、体を温めるのもよいでしょう。
もちろん食事を気をつけるだけでは万全ではなく、ストレスは体温を調節する自律神経にも影響するので、ストレスとうまくつきあうことも重要。筋肉を鍛えることで基礎代謝も高くなり体温も上がりやすくなりますし、ストレス解消等にもつながりますから、適度な運動も有効です。
また甲状腺機能低下症などの病気から低体温になるケースもありますので、このような場合は、まず病気の治療を優先させるようにしましょう。
参考
- 平成19年国民栄養・健康調査(厚生労働省)
- 早ね早おき朝ごはんコミュニティサイト
- 時間栄養学(女子栄養大学出版部)