ニンジンがビタミンCを壊すのは間違い
以前は、ニンジンに含まれているアスコルビナーゼという酵素がビタミンCを破壊すると言われていましたが、「破壊する」という言葉は正確ではなく、この酵素は、酸化させる働きがあるのです。この酵素は、熱や酢に弱いので、加熱調理したり、生で使うとしても酢を加えることで、ビタミンCの酸化作用はなくなります。また酸化されたビタミンCは、体内で「還元型ビタミンC」に変換され、結局ビタミンCとしての総量はほとんど変わらないそうです。ただし、還元型と酸化型の効力の違いについては、今後の見解が待たれています。
こうしてご紹介した食べ合わせで、必ず吸収が悪くなるとか、有害物質を排出できるというものではありません。食べ方や食べる量、それぞれの体質などによっても異なります。あくまで栄養素・成分の作用ということでご参考になさってください。私たちの体はいろいろな成分が複雑に影響し合って、うまく機能しています。何か一つの栄養素、食べ物に注目して摂取するというよりも、幅広い食べ物を食べるように心がることが大切です。
健康に生きる上で必要な栄養素や成分、食べ物も、医薬品などとの食べ合わせ、飲み合わせの悪いものがありますから、気をつけてください。
参考/「野菜のビタミンとミネラル」(女子栄養大学出版部刊)
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