小さな鉢でお散歩
今日は五分咲き、明日は七分咲き――
うつろう桜のさまを枕もとで見守ることができたら素敵ですよね。寝たきりのお年寄りのお花見にぴったりなのが、鉢植え。本格的な盆栽でなくとも、気軽に桜を植え込んで楽しんでみてはいかがでしょうか。
鉢植えに適しているのは、千島桜、富士桜、寒桜、寒緋桜、彼岸桜、一才桜などに限られます。なかでもポピュラーなのは一才桜。花は淡紅で愛らしく、小型で二重のものと八重大輪 のものがあります。開花期は4月下旬。あまり大きくならないため、愛好家にはことに親しまれている品種です。
●苗木探し●
園芸店や盆栽店、苗木販売所などで売っています。幹の細い一年目の苗木は、その年に花がつくかどうかわからないので、少し太めのものを選びましょう。
●植え込み●
鉢の底に赤玉土中粒を敷きます。その上に赤玉土・腐葉土・鹿沼土を均等に混ぜたものを。または赤玉土小粒・黒土をそれぞれ同分量ずつ混ぜたものでもよいでしょう。
●栽培方法●
日当たり、風通しのよいところで育てます。土の表面が乾いたらたくさんかけてあげてください。やりすぎると根腐れするので注意!植え替えは1~2年ごとに。春、芽吹く前がチャンスです。もし盆栽風に形を整えたいなら、針金かけを。新芽が出た後がチャンス。アルミ線を幹や枝に巻きつけ、くせづけします。1本で曲がらないときは2本巻くとよいでしょう。無理やり枝を下げるようにすると弱ってしまうので注意。また、あとあと幹や枝が育って太くなったときに針金が食い込まないように気をつけましょう。
●四季の世話●
・春
できれば有機質の置き肥料をあげましょう。開花したら、室内に移すなどして雨風を避けて。花を長く楽しむことができます。でも一日数時間、ちょっと戸外に出してあげることを忘れずに。花が散ったあとは花ガラを摘み、見た目にきれいになるようにします。伸ばしたくない芽は剪定するようにしましょう。
・夏
直射日光を避けましょう。ベランダで育てる場合は、コンクリートに直接置かないで。反射光で傷んでしまいます。ダンボールなどを敷いた上に置くとよいでしょう。午前10時~午後3時の熱い時間帯は室内に入れたほうが無難かも。乾燥は絶対、禁物です。欠かさず水やりを。ときどき消毒剤をかけ、虫や菌がつかないようにしてあげることも忘れずに。
・秋
落葉したら、花芽のない枝(徒長枝)を剪定します。この季節には水のあげすぎに注意。葉がないと、水を吸い上げることができず、根腐れしやすくなります。有機の置き肥料もあげましょう。
・冬
水やりは1週間に一度くらいにしてください。寒い地方では防寒対策が必要です。プランター棚にシートをかけたり、室内に入れたりしてください。室内に置く場合はときどき外の風にあてることを忘れずに。