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ピルは「プレ更年期」予防に最適!?(2ページ目)

女性は生理に関する悩みだけではなく、女性ホルモンの変化からくる色々な症状に悩まされます。イライラ、不安、冷え、肩こりなどの症状は、「プレ更年期」かもしれません。

三上 彰貴子

執筆者:三上 彰貴子

薬剤師 / 薬ガイド


プレ更年期の症状【ココロ編】

カラダに出てくる頭痛や肩こり、だるさ、のぼせ、冷えなどからもイライラしたり、気力がなくなることもあります。でも、心への症状自体もプレ更年期が原因の場合もあります。主な症状としては、

・怒りやすくなる、イライラする(人にあたってしまう)
・不安になる、心配になる、うつになる
・落ち込みやすくなる、気力が低下する
・悲しくなりやすい、涙もろくなる
・眠れなくなる、寝つきが悪くなる、眠りが浅くて寝た気がしない

※30-40代は仕事や家庭でも重要な役割を担っている人が多いので、過剰なストレスがかかって、上記のような症状が出ることもあります。

これらの症状が強いようでしたら、早めに女性専用外来や心療内科などの病院にいくことをお勧めします。


プレ更年期に効くピルの効果

ピルは、女性ホルモン(エストロゲンとプロゲステノーゲン)が入っている薬です。そのためピルを飲むことで、少なくなってきた女性ホルモンを補え、プレ更年期の不快な症状の緩和や改善に効果があるのです。

また、女性ホルモンは卵巣から分泌されますので、ピルを飲んで排卵を止めることによって卵巣の機能低下(注1)を遅くしてくれます。

(注1)毎月排卵は、卵巣から卵子が「ポンッ」(イメージ)と飛び出るように起こります。その排卵の際に、卵巣に傷がついてしまうようです(生体の仕組みで元に戻ります)。そのため、ピルを飲んで排卵を止めることによって、排卵による卵巣の傷付きを抑えることができます。

その他、ピルは生理周期を約28日間と一定にすることができます。それに伴いホルモンバランスも安定しますので、生理前の憂うつな症状やイライラなどのPMSも改善することができます。
また、ピルを飲んでいれば子宮内膜もあまり厚くなりませんので、生理のときの量が少なくなったり、ひどい生理痛がなくなるなどのメリットもあります。


ピルはホルモンの薬ということで、日本ではまだ怖いというイメージを持っている人もいるようです。ですが、海外では10代から使っている人も多いですし、数にすれば、世界では一億人以上が使っている薬なのです。
※もちろん、タバコを吸っている人や心臓や血液に病気を抱えている人など、使ってはいけない人もいます。

プレ更年期予防のためにも、ピルに興味のある方は、一度、内科や婦人科系の医師への相談をしてみてください。特に、最近「女性外来、女性専用外来」という科がある病院や診療所が注目されていますので、こちらで女性関係の検査を含めてカラダとココロのチェックをしてみることをお勧めします。


*ネット上での診断・相談は診察ができないことから行えません。この記事は実際の薬局での会話をもとに構成したものです。相談が必要な方は、医師や薬剤師に実際にお聞きください。
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