/肩こり・腰痛の薬・湿布・温湿布

お薬の基礎知識Part15 シップ薬の使い方

筋肉痛や打ち身などでつかうシップは、いろいろな種類があります。どうやって選んだらいいの? 今回はそんな疑問にお答えします。

三上 彰貴子

執筆者:三上 彰貴子

薬剤師 / 薬ガイド

湿布(シップ)を選ぶには?

肩こりのシップ
色々な種類があるシップ。症状に合うものを選びましょう
Q:湿布(シップ)が欲しくて薬局に行きましたが、いろいろな種類があってどれがいいのか分かりませんでした。どういう基準で選べばいいのですか?
※湿布(シップ)や貼付(ハップ)剤とも言います。

A:そうですね。シップには冷たく感じるもの、温かく感じるもの、薄い布状のものがあります。
それぞれについて紹介します

シップの種類について

湿布には冷感湿布といったひんやりするもの、温感湿布といった温かく感じるもの、それ以外にも主に肌色で、薄いテープ型のものがあります。

● 冷感シップ(冷シップ)
冷感シップには、炎症を抑える消炎鎮痛剤とメントール等のスーッとする冷感の刺激がある成分が入っています。保湿性があり貼る面がプルプルした感じで、貼ったときからひんやり冷たい感じがします。

● 温感シップ(温シップ)
一見冷シップと同じような感じですが、中に唐辛子エキスなど温かく感じる温感刺激をもつ成分が入っています。人によっては、ピリピリとした刺激でかゆみが出たり、発疹が出ることもあります。

● 経皮鎮痛消炎テープ剤
主に肌色で、薄いテープのような貼付剤です。経皮鎮痛消炎剤といって、皮膚から吸収されるタイプの鎮痛剤が効果を発揮します。メントール等のスーッとする成分も入っていますが、シップと異なり、プルプルとした感じではないので、貼った瞬間は冷たい感じがしません。しばらく経ってからスーッとしてきます。
最近は、シップのようにプルプルしているテープ剤も販売されています。


どういう症状に使えばいいの?

簡単に言うと患部が腫れていたり熱を持ったりしている場合には冷感シップ、炎症がなく痛みなどの症状が慢性化している場合は温感シップを使います。
どちらともいえない場合は、自分が気持ち良いと思うものを選ぶといいでしょう。

● 冷感シップ
主に、急な痛みや炎症に使います。患部を冷やし、シップに含まれている鎮痛薬で痛みを抑えます。

● 温感シップ
腰痛などの主に慢性的な痛みや熱や腫れが引いた後の痛みに使います。患部を温めることで血行がよくなります。また、筋肉の緊張が和らぎます。

● 経皮鎮痛消炎テープ剤
特に急性期・慢性期と分けることなく使われているようです。シップと異なりはがれにくく、伸びやすいことからよく動かす関節部分や、外出時に使っわれることが多いようです。


シップの注意点について

シップをずっと貼り続けるとかぶれることがあります。貼る前に汗などの汚れをふき取ってから貼ると、少しかぶれにくくなります。患部が広い場合は、毎回少しずつずらして貼るとかぶれを防ぐことができます。
それでもかぶれてしまったら、貼るのをやめるか、どうしても貼りたい場合は医師に相談してからにしましょう。

また、経皮鎮痛消炎テープ剤の一つに「モーラステープ」というものがあります。これは、医師の処方がなくては買えないテープ剤ですが、副作用として光過敏症があるので、注意が必要です。このモーラステープを貼ってから1週間、人によっては3週間ぐらいは、強い日光を浴びないようにしましょう。
※私は、ふくらはぎに貼ってから1週間ぐらい経っていたので大丈夫だと思い、炎天下の中テニスをしてしまいました。終わってからふくらはぎがシップの形に腫れあがり、水ぶくれのようになってしまいました。
こうなってしまったら、すぐに皮膚科に行って治療してくださいね!


シップ薬は昔から日本人になじみのある薬らしく、今でも特に日本人は好んで使うといわれています。それほど強い副作用はありませんが、きちんと使用上の注意を守って使いましょう。


*ネット上での診断・相談は診察ができないことから行えません。この記事は実際の薬局での会話をもとに構成したものです。相談が必要な方は、医師や薬剤師に実際にお聞きください。
【参考リンク先】
↓腰痛緩和方法や、シップの面白い貼り方が載っています
健康に関する情報>久光製薬

冷シップと温シップの使い方>肩こり腰痛改善法>エーザイ

ハップ剤>株式会社タカミツ
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