『ばんそうこう』豆知識
ばんそうこう は、医療用具に分類されるので、薬局・薬店だけでなくコンビニや100円ショップなどでも売られています、最近では機能が充実してきて数多くの製品がラインナップされています。皆さんの生活に身近な存在の「ばんそうこう」ですが、そんな ばんそうこう にまつわる豆知識をお伝えしてまいります。 |
▼キズケアのポイント
ばんそうこう を使う前に、まずはキズケアの正しい知識についておさらいしてみましょう。ケガをしてしまった時の対応は、前回もお伝えした通りですが、その中でも特に出血を止めるのに一番大切なことは患部の圧迫といわれます。しっかりと押さえる事で止血や組織を固定する事ができるからです。ガーゼをあてて包帯を巻くほどではないけれども、テープのようなものでキズを密着させて外部からの刺激から守っておきたい時に使われるのが ばんそうこう です。
▼ばんそうこう の歴史
そもそも、ばんそうこう は、繊維メーカーで働くご主人が、よく指をきってしまう新妻のために考え出したのが始まりと言われています。
from History of Jhonson & Jhonson
▼これまでの進歩
開いてしまったキズ口をよせる事で、組織が固定されてキズが治るのを助けることが ばんそうこう のが基本的な役割です。そして、クラシックな ばんそうこう にはガーゼが黄色いものがありますが、これは消毒薬の分野でも伝統的なアクリノールという消毒薬がしめらせてあるものです。
他に、大きいサイズや指先用に作られたものなど、機能やバリエーションが増えてきています。
▼ばんそうこう のここがイヤ!
これまで、 ばんそうこう を使っていて、「ここが良くなるといいんだけど・・・」とか「こんな機能があったらいいのに・・・」など、わずらわしい思いをした事はないでしょうか?
よくある問題点から考えてみましょう。まず、ばんそうこう を分解して考えてみると、固定するテープ部、キズにふれるガーゼ部、そして接着剤にわかれています。それぞれのパーツに分けて、改良のポイントを考えてみます。
<テープ部>
・水に弱い
・むれる
・貼った所が動かしにくい
<ガーゼ部>
・傷に触れるのでアレルギーの心配がある
・ガーゼの繊維が傷口に残ったり張り付いたりしてしまう
<接着剤>
・屈伸部位が剥がれやすい
・肌との接触部分のアレルギーが心配
▼ばんそうこう 装着感のポイントはテープ素材
ばんそうこう の装着感に最も影響があるのがテープ素材でしょう。各素材の違いが、肌触りや防水性、傷の保護能力に影響していると考えれられます。
▼テープ素材の種類
これまでの製品は、テープ部分は軟質ポリ塩化ビニルフィルムと呼ばれる素材で作られている事が多いようです。これは、肌へのフィット感と経済性から選ばれているようです。
それでは、最近の新素材を使った製品にはどんなものがあるのでしょう。ポリエチレンやポリプロピレンのポリオレフィンフィルム品、ポリウレタンフィルム品、ウレタン不織布品、発泡体品などの製品群がそうです。
といってもピンときませんよね。ひと言でお伝えすると、
・従来からある ばんそうこう に使われている素材が軟質ポリ塩化ビニルフィルム、ポリエチレン、ポリプロピレン。
・透明シートのめだたないタイプがポリウレタンフィルムという素材。
・やわらか素材がアピールされているものはウレタン不織布という素材で作られています。
▼接着剤とガーゼの素材
接着剤については、しっかりとした接着力がある事とはがし易い、という相反する機能を両立するように考えられています。ガーゼ部と接着剤はアレルギーを起こさせにくいモノが選ばれているようです。
ガーゼ部は消毒薬を湿らせてあるものや、不織布(ふしょくふ)といった傷につきにくい素材が使われている血液をゲル化させる(固める)もの等があるようです。
▼次回予告
ばんそうこう といえば、「バンドエイド」のジョンソンアンドジョンソンが有名ですね。ジョンソンアンドジョンソンが誇る「バンドエイド」はあらゆる種類のライナップを誇っていて、ヘルスケア部門で世界のリーディングカンパニーの証ともいえそうです。
それに対抗する形で、各社からそれぞれの種類の ばんそうこう が発売されています。次回からはテープ素材別に、各社からでている製品の装着感をレポートしてまいります。
【関連サイト】
・Jhonson & Jhonson
・続・粘着テープ物語from NITTO DENKO
・日本ポリオレフィンフィルム工業組合
<注意事項>
・製品などに関する情報は、記事を製作した時のものです。
・記載している会社名、製品名等は各社の商標、および登録商標です。
・特に本文中では、Rマーク、TM マークは明記しておりません。