転移・再発を起こさせないためには……
がんに転移・再発を起こさせないためには、がん細胞がリンパ管や血管に浸潤する前に切除してしまうことが不可欠です。また、最近では、早期のものは内視鏡での切除が可能な例も増えつつあります。 |
流れていった細胞が、他の臓器にたどり着いて、そこで増殖してしまうことが他臓器転移の原因になりますし、周辺の臓器に浸潤していって、そこが切除しきれなかった時に、再発がおこります。これが、がんの完治が難しい理由です。つまり、周辺の臓器や血管やリンパ管に浸潤しないうちに、しっかりと余裕を持って切除してしまうことが、がんの完治には欠かせないということになります。
がんは、必ず粘膜面から発生し、進展とともに、粘膜層からどんどん深くへ浸潤していきます。粘膜の下の粘膜下層というところを増えると、構造的に、血管やリンパ管が飛躍的に多くなります。すなわち、粘膜層にのみとどまっていれば、リンパ管や血管などに浸潤する可能性は低くなるので転移・再発を来す心配は極端に低下し、「完治」を目指せるようになってきます。
具体的には、胃がんや大腸がん、子宮がんなどのごく早期のものは、場合によっては内視鏡下での切除で十分に治療をすることが可能になっています。これはまさに、過去20年の医療技術の進歩の成果と言えるでしょう。
がんの「完治」を目指すために不可欠なこと
言い古された表現かも知れませんが、がんの「完治」を目指すためには、がんの早期発見・早期治療が不可欠になります。すなわち、粘膜層よりも深く浸潤する前に切除することが何よりも大切です。 |
そして、このような早期の段階では、胃がんや大腸がん、子宮がんにしても、症状はほとんど見られません。そこで、定期的な健康診断を受け早期の段階で治療を行うということが、「完治」を目指す上では非常に重要だということになるのです。
今回のお話を通じて、「早期発見・早期治療」という誰しも知っている方針が腑に落ちていただければと思います。
【関連リンク】
転移・浸潤のメカニズムをもう少し詳しくご説明⇒がんの早期発見・早期治療が大切なワケ(All About がん・がん予防)
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