がんは、手術で終わりではありません

手術が終わっても残る心配
がん治療の中で大きな山場の一つが手術。全身麻酔による手術を受け、術後の療養を経て退院しても、残る心配があります。
がんの治療を進めていく中で、大きな山場が手術です。

慣れない入院生活だけでも疲れますが、手術前の検査や手術に向けて色々こなしていかなければならない手続きを経て、全身麻酔の手術を受けるということは非常に不安も多いものです。

また、手術後は、キズの痛みともつきあいながら、手術前と同じような生活に復帰できるようにがんばっていき、退院までこぎつけるというのが大きな流れです。

たとえば、胆石や虫垂炎の手術では、退院を迎えると、あと数回の外来通院で一旦終了となりますが、がんの手術の場合には、そういうわけにはいきません。なぜなら、がんの手術の後には、転移や再発といった問題があるからです。

転移や再発を防ぐために、最も効果的なのは、早期にがんを発見することです。

今回は、がん治療における早期発見・早期治療の重要性についてお話したいと思います。

がんの治療と転移・再発

がんの治療と転移・再発
がんの治療においては、手術が終われば全て終わりということにはならないケースが大半を占めています。その理由は、がんの性質を考えるとよくわかります。
悪性腫瘍とも呼ばれるがん。腫瘍とは「できもの」という意味ですが、悪性の腫瘍が良性の腫瘍と最も大きく異なる点は、摘出手術後に転移や再発の可能性があるということです。

良性腫瘍の代表には、脂肪腫と呼ばれる病気があります。これは、読んで字のごとく、皮下の脂肪組織が増えてしまって塊のようになる病気ですが、これは、どれだけ大きくても、手術で摘出してしまうと再発する危険性は、まず、ありません。また、他の臓器への転移についても同様に、基本的には心配入らないものです。

しかし、その一方で、胃がんや肺がん、大腸がんなどの悪性腫瘍は、いかに小さい時期に見つけられても手術後に、他の臓器に転移がみつかったり、摘出した部分の近くから再発したりすることがまれではありません。

なぜ、このような違いがおこるのか?それは、悪性の細胞の特性が「分をわきまえない細胞である」というところにあると考えるとよくわかります。


次のページでは、がんが転移・再発するメカニズムについてご説明します。