癌(がん)/がんの3大療法・その他の最新療法

がん治療の成績は、5年生存率50%!?(2ページ目)

現在、医療機関で行われるがん治療は、抗がん剤、手術、放射線治療という3つの治療法です。しかし、これらの治療成績が、5年生存率50%というのはあまり知られていません。ここに補完代替医療の意義があります。

狭間 研至

執筆者:狭間 研至

医師 / 癌ガイド

がんを早期に発見する体制を整える

がんの早期発見
がんという病気は、その性質上、早期に発見されるとそれだけ完治を目指しやすくなります。何よりも、早期発見が大切です。
がんの治療が難しいのは、がん細胞が、原発臓器、すなわち最初にがんができた臓器から、いろいろな臓器に血液やリンパ液の流れに乗って流れていってしまい、他臓器転移を起こすことが原因です。

全身にがん細胞が回ってしまう前に、原発巣を十分なマージンをとって切除することががんの根治のためには不可欠です。

そういう考え方からすると、がんの治療成績を上げるためには、早期発見が不可欠で、症状がないうちに検査をしておく、検診が不可欠です。

最近では、少し値段は張りますが、全身のがんを一気にスクリーニングできるPET検診の有効性も知られるようになってきました。

現在、検診の受検比率をさらにあげる工夫も行われています。仕事や家事が忙しいとは言っても、自分の健康は何よりも大切なものですから、早期発見のために、症状も何も無いときに定期的な検診を欠かさないことが大切です。

西洋医学で行わないがんの治療も組み込む

西洋医学で行わないがんの治療"
病院で行われているがんの治療をよく理解し、免疫療法など、三大療法ではサポートしていない方法を組み合わせてみることは意義があると思います。
通常、病院での行われているがんの治療法は、手術療法、化学療法(抗がん剤治療)、放射線療法の3つです。これらいわゆる「がんの三大療法」を病状や病態に組み合わせて行っているのが現状です。

この組み合わせの治療成績は、良くなってきているのですが、現状が、5年生存率50%であるというのならば、これ以外のやり方、すなわち補完代替医療と呼ばれる治療法を組み合わせるというのは、至極真っ当な考え方ではないかと思います。

がんに対する補完代替医療として、心理療法やカウンセリングなどとともに、注目されているのが、がんに対する免疫療法です。これは、もともと私たちの体が持っているがんへの免疫力、すなわち、がん細胞を自分の細胞ではないものと見なし、自分の白血球で攻撃し、死滅させてしまうという性質を利用した治療法です。これは、手術療法、化学療法(抗がん剤治療)、放射線療法の3つの治療法とは、考え方が全く異なります。

一昔前は、代替医療的な考え、すなわちがんの三大療法をせずに、免疫療法を行うという考え方もあったのですが、近年では、三大療法の利点も十二分に生かしながら、それらで足りない部分を補う(=補完する)という補完医療的な考え方が主流になってきています。

がんの治療成績向上のためには、検診の受検率アップとPET検診による早期発見例の増加と、免疫療法の活用が不可欠ではないかと感じます。


【関連リンク】
PET検診の基本を押さえておきましょう。
 ⇒ 知っておきたいがんに関する2つの「告知」(All About がん・がん予防)

日本におけるがん補完代替医療のほとんどは健康食品やサプリメントです。
 ⇒健康食品ってがんに効くのでしょうか?(All About がん・がん予防)


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