がんの治療と健康食品

がんの治療と健康食品
近年、がんの治療に健康食品やサプリメントを取り入れたいという方が増えています
がんの治療としては、手術、放射線治療、抗がん剤治療という3つの治療法を組み合わせて行うのが一般的です。しかし、その一方で、「がんに効く」もしくは、「がんが治った」とされる健康食品やサプリメントについても、目にされることが多いのではないでしょうか。

特にインターネットの世界では、思わずまゆにつばをつけたくなるような、でも、困っている患者さんのわらをもすがる気持ちにうまく応えるようなキャッチコピーや記事とともに、様々な商品や製品が紹介・販売されています。

がんの患者さんにとって、今や、無視できない存在となってきている健康食品ですが、今回は、医師の目から見たちょっと変わった切り口で、がんの治療と健康食品についてお話したいと思います。


厚生労働省が驚いた!? 予想以上の健康食品の利用率

予想以上に多かった健康食品の利用率
平成14年に、厚生労働省の研究班が行った実態調査では、予想以上に多くのがん患者さんが、健康食品を利用していることが明らかになりました
少し前の話になりますが、平成14年の日本癌治療学会で、厚生労働省の研究班によるアンケート調査の結果が発表されました。対象となったのは、全国のがん専門病院やホスピスで実際に治療を受けているがん患者さ6,000名あまりで、4,000名あまりから回答が寄せられました。その中で、「西洋医学以外の治療を受けている」と応えた方が、約45%を占めその約96%が健康食品を摂取していることが明らかになりました。

また、その購入費用が、一ヶ月あたり、平均56,000円。10万円を超える方が2割を占めていることもわかりました。さらには、全体の60%を超える方が、主治医に相談できずに使用しているという結果も得られたのです。

この後も、たびたび同様の調査が行われていますが、西洋医学以外の治療法を取り入れている患者さんの比率や一ヶ月あたりの費用は上昇し、主治医へ相談できていない比率は横ばいという傾向が見られています。

すなわち、予想以上に多くの方が、予想以上に多くのお金を使って、主治医にほとんど相談できない環境の中で、がんの治療に健康食品を取り入れているというのが、現在の我が国における実情と言えるのです。

次のページでは、変わりつつあるがん治療における健康食品の位置づけについて、ご説明します。