がんに関する2つの告知

がんに関する2つの告知
がんの告知といえば、「がん」という病名を患者さんにお伝えする病名告知が一般的です。しかし、がんの治療においてはもう一つの告知も広まりつつあります。
がんの告知と言うと、みなさんは何を思い浮かべられるでしょうか。おそらく、「あなたの病名は、がんです」というシーンではないかと思います。これは、病名告知といい、文字通り、患者さんにがんという病名を告げるものです。実は、医療の現場では、もうひとつのがんの告知があります。

それが、病状告知です。インフォームドコンセントの充実に加え、患者さんの自己決定権の観点から、近年、少しずつではありますがすすみつつあります。

今回は、これら、がんにまつわる2つの告知についてご説明します。

病名告知は、ほぼすべての方に行われている

がんの病名告知
意外かも知れませんが、現在、がんという病名告知は、ほとんどすべての方に行われています。
一昔も二昔も前、がん=死に直結する病気というイメージが強かったころには、がんという病名が医療の現場で使われることは決して多くありませんでした。
患者さんが治療への意欲や希望をなくしてしまうから、といったことも理由でした。

しかし、今、がんという病名は、原則的に患者さんに告知されます。もちろん、患者さんの「知らなくても良い権利」を尊重して病名をお伝えしないケースもありますが、それは非常にまれです。

このように変化してきたのは、いくつかの要因があると思います。がんが早期発見、早期治療により、完治が目指せる疾患になりつつあることや、がんの治療も、医師が一方的に行っていくものではなく、患者さんが主体的に行っていくという考え方が浸透してきたことなどがあげられます。

また、インターネットの普及により、使用する薬剤や治療の内容を患者さんがご自身で調べることができるようになったことも大きいと思います。つまり。「がんではない」といっても、使っているお薬が「抗がん剤」であることがすぐにわかるようになってきたということです。

患者さんが医師や看護師といった医療スタッフやご家族としっかりとタッグを組んで治療に専念するために、がんという病名を全員で共有することは欠かせなくなったと言えます。

次のページでは、がんに関するもう一つの告知、「病状告知」についてもご説明します。