癌(がん)/がん告知・余命の考え方・メンタルケア

もし明日、「がん」と告知されたら?(2ページ目)

今、65歳までの10人に1人は「がん」になると報告されており、決して、人ごとの病気ではなくなってきました。あなたや、家族が「がん」と告知された時にはどうすればよいのでしょうか?

狭間 研至

執筆者:狭間 研至

医師 / 癌ガイド

まずは、主治医としっかり話をする

あなたの主治医
あなたやあなたのご家族について、最も詳しく、正確な情報を知っているのが主治医です
私も、知り合いの方から相談を受けたり、インターネットを通じて質問を受けたりすることがあります。インターネットによる相談は、非常に手軽な反面、診察もせずレントゲン写真1枚見たことがないという状況ではお答えできる内容には限りがあります。また、医師は「無診察診療」を禁じられていますので、診察していない状況では、どうしても、一般的な回答に終始せざるを得ないのが実情です。

その一方で、主治医は、何度も診察をし、病歴を知っており、レントゲン写真やCT写真、血液検査の結果もすべてよく見ています。その上で、「がん」という診断を下し、患者さんやご家族に伝えているはずです。

この主治医によく話を聞くこと。よく考えてみれば、とても当たり前のことですが、がんという病名に気が動転してしまうためか、主治医にしっかりと質問ができていないというケースもよくあります。

「がん」という病名がわかったときには、まずは主治医に十分に話を聞くことが、一番大切なことです。


あふれる情報を「事実」と「憶測」にしっかりと区別する

事実と憶測の区別
あふれる情報をよく吟味し、主治医と十分に話をする。事実と憶測をよく区別して情報を整理することが大切です
主治医の話を聞き、友人の話を聞き、インターネットからの情報を仕入れ……情報が一気にあふれてきます。がんの患者さんやそのご家族が、好む好まざるにかかわらずさらされてしまう情報の洪水をうまく乗り切っていくポイント。それが、「事実と憶測をよく区別する」ということです。

「半年も持たないらしい」「あの病院の方が良いらしい」「この薬が良いらしい」など、この時期の情報には「~らしい」というものが非常に多い場合があります。また、主治医の話も、「事実」と「今後予想される事柄」に分けられるはずです。

何事もそうですが、憶測におびえて事実を見失ってしまうと、正確な判断を下すことは非常に難しくなってしまいます。そして、最も避けなくてはならないのが、憶測に振り回された結果、主治医や医療機関に対して疑心暗鬼になってしまうことです。

あなたが今、行動しようとしていることの根拠は、果たして事実でしょうか、憶測でしょうか。このポイントを抑えることが、「がん」と告知されたあとの混乱期を乗り切るポイントだと思います。

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