典型的なアメリカンスタイルのハンバーガーとフライドポテトが2型糖尿病のリスクを高めるという聞き捨てならない研究があります。ハーバード大学医科大学院公衆衛生学部のまじめな調査です。
たとえ、肥満がなくても、糖尿病の家族歴がなくても、『赤身の肉や肉の加工品、フレンチフライや高脂肪の乳製品、ケーキやクッキー』などのウエスターン型食生活を好む人は、『穀物、野菜、果物』タイプの人に比べて60%も2型糖尿病になるリスクが高いことが分りました。
40歳から70歳までのアメリカの白人男性42,504人を12年間追跡した結果です。
[Annals of Internal Medicine, 2002, Feb 5]
私達は"ウエスターン・スタイル"をアメリカやヨーロッパの"西欧型"と訳してしまいますが、実は地中海地方のヨーロッパの人が北米に移住して"ウエスターン・スタイル"の食生活になると糖尿病を発症しやすいことはよく言われることです。"ウエスターン"というのは欧米ではなくて、アメリカそのものを指します。
2型糖尿病の2大要因は肥満と運動不足ですが、それらの因子を除いてもアメリカンスタイルの食生活は糖尿病を招きやすいとハーバード大学公衆衛生学のフランク・フー助教授は結論しています。
2型糖尿病は、からだがインスリンというホルモンを効率よく使えない状態(インスリンレジスタンス)やインスリンそのものの不足から高血糖になるもので、放置すると重度の障害を起こす危険な慢性病です。