糖尿病/糖尿病の食事療法の基礎知識

WHO勧告、野菜と果物で400g(2ページ目)

2004年5月22日、ジュネーブで開かれていた国連のWHO(世界保健機構)は生活習慣病を引き起す『肥満』を予防するための『食事、運動、健康に関する世界戦略』を採択しました。

執筆者:河合 勝幸

野菜と果物を合わせて400gというと、ちょっと奇異に感じるかも知れませんが、実際には野菜と果物の線引きは不可能なのでこういう表現になるのでしょう。
『リンゴ』が果物で『ホウレン草』が野菜であることは誰も異論がないでしょうが、はたして『メロン』は果物で『キウリ』が野菜とは言えるでしょうか?共に『ウリ科』の植物で苗のときは文字通り『ウリふたつ』です。
トマトが果物か野菜かを争ったアメリカの裁判は有名ですが、あの場合は果物は関税なしで野菜には関税をかけるという時代背景があって、輸入業者は果物とするのは当然で、対する税関がトマトは野菜としたのが発端です。以来、トマトは野菜になっていますが、『永田農法』による糖度の高いトマトは果物そのものです。
一時、このややこしい関係を解決するために『果菜』という言葉が使われたことがありますが定着しなかったようです。

アメリカ人が食べている『野菜』として一番多く答えるのは『フライド ポテト』です。でも、ポテトのようなデンプン質の塊根は食事療法では『野菜』としては扱いません。

WHOによると野菜と果物を十分に食べていれば年間2.7百万以上の人の命を救えるとしています。そして、不十分な野菜、果物の摂取は全世界の死因の10大リスクのひとつです。
野菜、果物不足は消化器ガンの19%の病因と考えられており、虚血性心疾患の31%、脳卒中の11%の原因とも見なされています。

『5 A Day』の今年のシンポジウムは8月にニュージーランドで開かれます。



このスイカはカボチャの台木に接いだものです。(当ガイドの畑)
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