糖尿病/糖尿病の食事療法の基礎知識

満腹感のヒミツ(2ページ目)

長い間よく分らないままに『すい臓』に作用していると考えられていたホルモンが脳神経に満腹感を伝える伝達物質であることが判明しました。ペプチドYY3-36あるいは単にPYYと呼ばれるものです。

執筆者:河合 勝幸

減量ダイエットの経験者なら誰でも知っていますが、ある程度体重が落ちるとそのままプラトー状態になります。
その時はいろいろな消化管ホルモンがからだの代謝のしくみを変えて、少ない食事にエネルギー効率を合わせているのだそうです。
『食欲』の研究者が期待しているのは、脳のニューロンの信号物質が、消化管やすい臓の内分泌細胞の分泌物として数多く見つかっていることです。
共通の『脳腸ホルモン』として知られるようになりましたが、これは肥満の減量だけの問題ではなく、全く逆に食欲を失って困っているガンやエイズの人たちにも役に立つ最新の分野です。いろいろな組み合わせが可能になります。

2003年10月に米フロリダ州で開かれた『北米肥満研究者協会』で、前述のスティーブン・ブルーム博士は食欲抑制ホルモン『PYY』を鼻からスプレーで吸入する方法を発表しました。もう試作品もできているそうですから、夢から現(うつつ)になりかけているかも。
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