ビタミンEやビタミンCのような抗酸化ビタミンが毎日のようにテレビの健康番組で勧められています。でも女性の高年齢で糖尿病のある人には『毒』になるかも。
どうも、抗酸化ビタミン剤が動脈硬化の予防に『吉』とでる人と『凶』とでる人がいるようです。
それが簡単な血液検査で分かるという耳寄りな発表がありました。
[Diabetes Care, 2004. 4月号]
テクニオン=イスラエル技術研究所の研究者たちによると、高齢な女性で糖尿病がある人には、ビタミンEやビタミンCのような抗酸化ビタミンが心臓の血管を守ったり、かえって傷つけてしまうような2つのタイプがあるそうです。
その目印になるのが『ハプトグロビン』という血清糖タンパク質です。
『ハプトグロビン』は血中の遊離ヘモグロビンと結合することによって尿中への遊離ヘモグロビンの喪失を防ぐタンパク質です。
『ハプトグロビン, haptoglobin』にはHp1,Hp2と表現される2つの遺伝的変異があります。これは血液検査で分析できます。高齢女性で糖尿病がある人がHp2の遺伝子を一対持っていると、抗酸化ビタミン剤の摂取は動脈硬化や動脈血管を狭める恐れかあるようです。
逆にHp1の遺伝子を一対持っている人たちには、抗酸化ビタミンは動脈硬化予防になります。
今まで抗酸化ビタミンが心臓病患者を『守る』という論文と、コレステロールの薬に干渉するのでかえって『害がある』という論文、そして多数意見として『ご利益なし』論文が錯そうしていました。
その原因のひとつに『ハプトグロビン』のタイプが関与することが証明されれば大いなる進歩です。
この研究は299人の閉経後の女性を対象に行われました。全員が少なくとも一ヵ所の冠動脈閉塞(へいそく)がある人たちです。ランダムに1日あたり400IUのビタミンEと500mgのビタミンCのサプリメントをとるグループと偽薬グループとに分けられました。