高齢化に伴い『健康狂時代』になった感がありますが、意外と全粒穀物の人気が高まりません。全粒穀物(Whole Grain)とは未精白の、自然のままの穀粒のことです。具体的には玄米や全粒小麦、アワ、キビ、キヌアなどの雑穀を意味します。最近、日本でも発芽玄米が話題を集めていますが、全粒穀物としてではなく、GABA(ギャバ)という神経伝達物質が多いという宣伝が効いているようです。しかし、同じアミノ酸仲間のグルタミン酸はもうすっかり見向きもされません。昔々の話ですが、グルタミン酸を食べると頭が良くなるという説が大流行したことを思い出します。GABAは体内でグルタミン酸からワンステップで作られているもので、神経の興奮を抑制する作用があります。もちろん、たくさんGABAを食べたって、何かが好転するとは考え難いことです。

それに対して全粒穀物そのものがいかに慢性病に有益かは既に立証されています。アメリカ農務省が提唱する食事のガイドラインでも全粒穀物の摂取が大いに奨励されています。一日に少なくとも3サービングは食べるようにとのことです。1サービングとはパンならば25グラム位の小さい一切れ、ご飯やパスタならカップ半分の量です。

全粒粉の使用が51パーセント以上あれば、アメリカでは『心臓病とある種のガンのリスクを減らす』と食品に表示できます。当クローズアップでも何度か糖尿病と全粒穀物の関連を書きましたが、ハーバード大学が行っている大人数のナーススタディやアイオワ・ウーメンズ・ヘルス・スタディ(合計175,000人)でも全粒紛のパンや全粒シリアルを多く取っている人は糖尿病の発症が明らかに少なかったのです。