アメリカ科学アカデミーの一部門である"医薬研究所、Institute of Medicine"が、6品目の健康補助食品(以下、サプリメントとする)の安全性を再評価することになりました。サプリメントについては十分な評価がなされてなかったのです。人口の高齢化と肥満の激増によって今やサプリメント市場は巨大になりましたが、公的な安全管理はごく限られたものだったのです。
今回の安全性再評価の対象になったのは、次の6品目です。
チャパラル(Chaparral)
クロミウム ピコリナート(Chromium picolinate)
グルコサミン(Glucosamine)
メラトニン(Melatonin)
ノコギリ・ヤシ(Saw palmetto)
サメ軟骨(Shark cartilage)
今、アメリカでは減量薬として流行している『麻黄・マオウ』を発売禁止にするかしないかで、"もめにもめて"います。
三共の世界初のインスリン抵抗性改善薬『ノスカール』、アメリカ名レズリン』を販売停止に追い込んだ市民擁護団体"パブリック シチズン"は強固に禁止を求めていますが、サプリメント業界は指示どおりに使用すれば問題はないと反論します。
ジャッジ役はFDA(アメリカ食品医薬品局)ですが、なかなか立場をはっきりとさせません。
実はアメリカでは1994年の法律によって、サプリメントメーカーが発売前に商品の安全性を証明することが免除されたのです。
たしかに弱小メーカーが民間療法の薬草を安全だと証明することは不可能です。
だからFDAがサプリメントの販売を禁止させるには、その危険性をFDAが立証しなければなりません。それが難しいのです。
今回は渦中の麻黄は再評価の対象に入っていません。すでに多くの研究が行われているからだそうです。