糖尿病はもともと老人病だったのです。加齢と友に、肥満もないのにインスリン抵抗性が高まるのは、細胞内でエネルギーを作り出す『ミトコンドリア』の活性が落ちるからだという発表がありました。

人類のルーツを遺伝子でたどっていくと、アフリカで発掘された一体の女性の人骨、ニックネーム『エバ』さんにたどり着くという有名な仮説があります。アダムとエバの話はご存知ですよね。
細胞のエネルギープラントである『ミトコンドリア』の遺伝子は、不思議なことに母方のものしか遺伝しないという性質があるので、進化の歴史は実は母親のルーツ探しなのです。だからアダム氏ではなく、エバの話になります。ミトコンドリアは元来は別の生物だったのですが、太古の昔に細胞内に取り込まれた(あるいは共生)と考えられています。だから、私達の細胞の遺伝子とは別に、ミトコンドリアだけの遺伝子が今でもあるのです。ここにも糖尿病のナゾが隠されていました。

2003年5月16日発行の『サイエンス』によると、高齢者に多いインスリン抵抗性と、その結果の2型糖尿病は『ミトコンドリア』に一因があるのだそうです。
これが、2型糖尿病予防薬、治療薬のターゲットになるのは間違いありません。

別の最新の研究によって、身体の活動(運動)が筋肉細胞のミトコンドリアの量を増やすことが明らかになっています。AMPキナーゼという、ミトコンドリアを増やすカギを握る酵素の活性を、運動が高めるのだそうです。
今回の論文の研究リーダーでもある、Dr. Gerald Shulman(エール大学、アメリカ)は『高齢者も活動的な生活を送る送ることによってミトコンドリアの量を維持して、このような健康障害を避けることができるでしょう』と語っています。