低血糖あるいは高血糖の任意の値をセットしておくとアラームで知らせてくれる自動血糖測定器がアメリカで認可されました。インスリンポンプと組み合わせると夢の『人工すい臓』が実現しそうです。
2004年2月11日、アメリカ食品医薬品局(FDA)は新しい連続血糖測定器を認可しました。危険な低血糖や手当てが必要な高血糖になるとモニターがアラーム音を発します。世界ナンバー1のインスリンポンプ『MiniMed』でおなじみのMedtronic社の製品です。
同社がすでに腹部の皮下にセンサーを刺して連続的に血糖値を測定する装置を開発済みであることは知られていましたが、いよいよ実用化の段階になりました。
腹部にはりつけた小さなセンサーと送信器が、ベルトに付けたり、ポケット内に入れてあるモニターに無線(ワイヤレス)で刻々変化する血糖値を伝達するものです。
血糖値そのものを糖尿病者が数値で確認することは出来ませんが、セットしておいた血糖値を超えるとアラームが作動します。しかし、血糖値の変化はパソコンでダウンロードできますから。糖尿病のチーム医療でさらに効果が生れそうです。
センサーは腹部の皮膚と筋肉の間の脂肪層に入れられます。装着してしまえば現実的に痛みはありません。感染症を防ぐためとセンサーの感度低下のために3日間で別の位置に変える必要があります。
この連続血糖測定器は従来の採血式の血糖測定器の代りになるものではなく、むしろ少なくとも1日2回(12時間に1回)は採血して正確な血糖値を求め、それをこの装置にフィードバックして自動調整する必要があります。
インスリンポンプ『MiniMed』の最新モデル『パラダイム512』には、通常の採血式血糖測定器と同じように微細な血液から僅か5秒で血糖値を測定して、それを瞬時にワイヤレスでインスリンポンプに入力するシステムが組み込まれていますから、この自動連続血糖測定器にも応用されているでしょう(まだ未確認です)。