会社の検診で「糖尿病」宣告! でもどんな病気か意外と知らない?? |
前回記事「そもそも糖尿病って何?」でもお伝えしましたが、日本の場合、糖尿病患者の95%は「2型糖尿病」と言われています。
今回は1型糖尿病と2型糖尿病の違いについて、ご紹介しましょう。まずは「1型」からです。
遺伝子と環境が影響?
免疫システムが誤作動してしまう「1型糖尿病」
「1型糖尿病」は自分自身を守る免疫システムが、インスリンを作るベータ細胞を誤って破壊してしまう病気です。なので、最初からインスリンの投与が必要になることが多いです。遺伝子と環境要因が関係しているという研究結果が発表されています。いくつか例をご紹介しましょう。十分な根拠とまでは言えませんが、乳児を母乳で育てている国は1型が少なく、人工ミルクを授乳している国に多いので、牛乳も一つの原因として疑われています。小麦タンパクのグルテンや亜硝酸塩で発色したくん製肉も、同じような推測で容疑者になっています。また、ウシのタンパク質に対する抗体が反応するのでは?という仮説もあります。
食べ物だけではありませんよ。1型の引き金になるウイルスも、いろいろ候補に上っています。フィンランドは人口当りの1型発症率が最も高い国ですが、子供の1型発症は、風邪と同じで、寒さが始まる秋口と厳寒の冬にピークになるからです。フィンランドを筆頭に北欧には1型の発症が高いので、日光不足やビタミンD不足も1型の原因になるのではという報告もあります。
まだ原因不明ですが、世界中で1型の発症が増えているのは事実です。特に0歳~4歳児に急増しているので、環境要因の影響が高いといわれるのも納得ですね。(詳しくは、「離乳食のタイミングと1型糖尿病」をご参照ください。)
次のページでは、じわじわ進行する「2型糖尿病」についてご説明します。