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『低血糖』と『知能指数』

1型糖尿病の子供達が低血糖で意識が混濁すると、脳にダメージがあるかないか心配です。でも学校の成績は病気よりも他の要因に影響されるようです。

執筆者:河合 勝幸

1型糖尿病の子供達が『低血糖』で意識が混濁すると、『脳』にダメージがあるかないか心配です。でも学校の成績は病気よりも他の要因に影響されるようです。

1型糖尿病の常として、血糖値の上下の変動が大きいのはやむを得ませんが、それが記憶力や言語能力に悪影響を与えないかどうかが問題です。今までの研究では"影響する"という説と、"大丈夫だ"という説が食い違う結果をもたらしていました。
自分でリカバリーできる程度の低血糖症状は心配しませんが、第3者の介護が必要な重い『低血糖』はとても気になります。

アメリカ糖尿病協会出版のDiabetes Care 2003年1月号にアイオワ大学(アメリカ)の研究者達が1型の子供達の成績と、病歴・病状との関係を調べた結果が報告されています。それによると、『病気』より家族の『収入』や子供達の『生活態度』のほうが学校の成績に影響することが分かりました。

1型糖尿病はかつて『若年型糖尿病』と呼ばれていたように子供や青少年に多く発症する糖尿病です。今では年齢に関係なく起こることが分かりましたので、病気の原因のみに焦点を当てて『1型糖尿病』と言うようになりました。何らかの理由でインスリンを分泌するベータ細胞(すい臓)を自分自身の免疫システムが攻撃してしまうのです。
生命を維持するためにインスリンを毎日数回注射しなくてはなりませんが、どうしても血糖値の上下の変動が大きく、それが子供達の勉強の妨げになると考えられてきました。
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