もちろん、原因は不明ですが、研究者はインスリンがキーワードだと考えています。
インスリンが細胞、特に大腸の細胞に生長促進作用があることは前から知られていました。血糖値が正常だった人が『プレ糖尿病』になると、血中インスリン濃度が上がります。
何らかの理由でインスリンが大腸がんなどのプロモートをするのでは…という仮説があります。そして、不思議なことに2型糖尿病のがん死は少なかったのです。
別の仮説として、2型糖尿病者の血管は硬化が進んでいるので血行が悪く、がん細胞の転移が少ないのでは…とも考えられています。
どんどん増殖するがん細胞は大量の血液を必要としています。
更に、糖尿病者は心臓や脳卒中などの心血管疾病が多いので、がんが表面にでる前に若死にしているのでは、とも考えられます。
こうなると、とても『ヤッホー!』なんて、言ってられませんね。
今回の論文は小規模なものなので、もっと計画的な研究が必要です。
2型糖尿病者にとって、よいニュースかどうかは分かりませんが、せめて2型になった以上は食事にも気配りしているので、『大腸がん』のリスクは少し遠のいたと自己満足しておきましょう。
幸か不幸か、私達はインスリンが不足しているのですから、がん細胞が生長しにくいのかも知れません。
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