糖尿病/その他の糖尿病の合併症

骨粗鬆症と糖尿病、見落された合併症(1)(2ページ目)

医療の進歩によって糖尿病者の寿命も延びました。それに伴って骨粗鬆症も大きな問題になりそうです。1型糖尿病の女性は特に骨量が少なく、2型の女性は骨量はあるのですが骨折も多いのです。

執筆者:河合 勝幸

骨粗鬆症で骨折リスクが高い部位

1.背骨の圧迫骨折
いちばん多く起こる骨粗鬆症の骨折は、背骨の椎体がつぶれる圧迫骨折です。肥満体の多い2型糖尿病ではこの背骨はなぜか丈夫だという研究がありますが、広く認知されたエビデンスではないようです。

2.腕の付け根の骨折
転倒してひじをついた際に骨折するのが、ひじではなく腕の付け根です。

3.手首の骨折
こちらも転倒した場合。手のひらをつくと手首の骨が折れるリスクが高まります。

4.足の付け根の骨折
骨粗鬆症による骨折のなかで代表的な難問がこの「大腿骨頚部(だいたいこつ・けいぶ)骨折」です。ちょっとした原因で転倒して、ひざをついたり、しりもちをついたとき、あるいは横に倒れておしりを打ったときに足の付け根の部分が折れます。歩けなくなるので寝たきりや認知症のきっかけにもなるリスクがあります。


骨折を招くいちばんのリスクは、「骨折の前歴」なのだそうです。一度骨折した人はそうでない人に比べて2倍のリスクがあります。手首の骨折をした人は一年以外に別の手首の部位を骨折するリスクが3~4倍になり、当然、足の付け根の骨折にもつながります。

次回はなぜ糖尿病が骨量減少や転倒に結びつくのか考えてみましょう。


関連リンク
  • 妊娠から心の問題まで…女性と糖尿病の関係
    from All About[糖尿病]
  • 女性は男性の3倍の発生率!大腿骨頚部骨折
    from All About[女性の健康]
    • 前のページへ
    • 1
    • 2
    ※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
    ※当サイトにおける医師・医療従事者等による情報の提供は、診断・治療行為ではありません。診断・治療を必要とする方は、適切な医療機関での受診をおすすめいたします。記事内容は執筆者個人の見解によるものであり、全ての方への有効性を保証するものではありません。当サイトで提供する情報に基づいて被ったいかなる損害についても、当社、各ガイド、その他当社と契約した情報提供者は一切の責任を負いかねます。
    免責事項

    あわせて読みたい

    あなたにオススメ

      表示について

      カテゴリー一覧

      All Aboutサービス・メディア

      All About公式SNS
      日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
      公式SNS一覧
      © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます