糖尿病/その他の糖尿病の合併症

新しい合併症!? 糖尿病と難聴リスクの関係

糖尿病と聴覚障害の関係は、はっきりしていませんでした。しかし6月、アメリカ糖尿病学会で糖尿病者は2倍も難聴になりやすいという発表があったのです。真偽の程は? 詳しくご紹介しましょう。

執筆者:河合 勝幸

耳
ポルトガルで耳たぶにさわると、料理なら「おいしい!」、女性なら「いかす!」というサインです。スペインでは逆の意味(頭にくっついて離れない=鬱陶しい奴)ですからご注意
糖尿病と聴覚障害の関係は、はっきりしていませんでした。これまでも、関連しているという研究発表と、関連はないという研究発表とがありました。しかし6月、アメリカ糖尿病学会で糖尿病者は2倍も難聴になりやすいという発表があったのです。詳しくご紹介しましょう。

ビッグニュース!? 糖尿病と難聴の関係

今月6日の発表はもちろん知っていましたが、また例の話だと思ってそのままファイルしていました。ところがアメリカの医師向けのウェブで、過去3ヵ月で一番読まれた記事のトップにこの話題が出ているではありませんか! 遅ればせながら、さっそくお知らせいたします。

今回の研究は大規模なアメリカ全国健康・栄養調査(NHANES)のデータ分析ですから信頼性の高いものです。糖尿病が聴覚に与える仕組みが分かったわけではありません。糖尿病がある人は会話で使う4レンジの周波数(500、1,000、2,000、4,000 Hz.)のテストで、健常者の2倍の人が成績が悪かったのです。

研究は2人の女性科学者が行いました。世界最大の医学研究所NIH(米国立保健研究所)の一部門ですから多いに注目されます。

全国健康・栄養調査の5,140人(20~69歳)の人達が研究対象になりました。この人達は聴覚テストを受けており、1999~2004年の間の糖尿病の有無の調査も完了していました。5,140人のうち399人が糖尿病であることを申告しています。大部分の人が2型糖尿病で、この全国健康・栄養調査はアメリカ国民のサンプルを代表するものと研究者は指摘しています。

会話で使う4つのレンジ(上記)のテストで糖尿病者の31.6%に聴覚障害がありました。健常者は14.5%でした。2倍も成績が悪かったのです。もちろん加齢による聴力低下は相殺してあります。

>>次のページでは、難聴リスクに対するアドバイスをご紹介します。>>
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