糖尿病/著名人と糖尿病・糖尿病闘病記

全盲の画家エムナマエさんデザインの子供服(2ページ目)

糖尿病で失明しても不死鳥のようによみがえった画家、エムナマエさんの夢の中の動物たちがかわいい子供服の上で踊っています。

執筆者:河合 勝幸

もしかしてMODY?

前からエムさんの糖尿病には何か変わったところがあるのに気がついていましたが、公式サイトでいろいろな記事を読んでみて、ますますその感を強くしました。

肥満もなく、小学生の頃から違和感があったのに糖尿病の診断が下りたのが35歳で、その3年後に早くも失明と人工透析というのは尋常ではありません。目の不調をもっと前から訴えていたのに……もしかしてMODYという比較的まれなタイプのインスリン非依存型の糖尿病かも知れません。もしそうならば、世の中の患者と医師に警鐘を鳴らすべく、もっとご自分の体験を書いてもらいたいものです。

普通の1型・2型糖尿病は複数の遺伝子が相互に干渉して、さらに環境(年齢、肥満etc)も関与するものですが、このMODY(maturity-onset diabetes of the young:若年者糖尿病の成熟期発現)は単一の遺伝子異常で発症するものです。MODYはしばしば1型や2型と誤診されますので注意が必要です。今ではMODYには7タイプの遺伝子異常が発見されていますが、それぞれ治療法が違いますのでご留意ください。一般の内科医ではこんな糖尿病があるのもご存じないのでは?

もしエムさんがMODYだとしたら不運でしたね。エムさんが発症した頃は糖尿病について今ほど解明されてなかったのですから。MODYは白人では全糖尿病の1~2%とされていますが、日本の実情については具体的な資料がありません。

MODYには網膜症や腎症になるのが稀なタイプから、MODY3のように少しずつ進む高血糖のために目や腎臓の合併症に進むタイプまで多様ですから油断なりません。

>>次のページでは、エムさんからの警句をご紹介しましょう。>>
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