糖尿病の三大合併症のひとつは『神経障害』です。手・足の末端神経障害は多くの糖尿病者を苦しめていますが、自律神経障害もその内のひとつです。自律神経というのはご存知の通り、心臓や胃や腸、尿生殖器官のような自己調節性の、独立した機能の神経システムです。だれでも『心臓』を動かそうと命令しているわけではないですね。
膀胱(ぼうこう)は3つの神経系でコントロールされています。ひとつは脳に尿が一杯になったことを知らせるもの。さらには膀胱を収縮させて排尿させる神経。そして開いたり止めたりする尿道括約筋神経などです。
膀胱は1.5カップ位の尿をためられるとされますが、糖尿病性神経障害でそれが感知できない人もいます。全く不本意なトラブルです。
電子機器製造のタケシバ電機(神奈川県相模原市 042-761-1611)は産業技術総合研究所と共同で、超音波を使って膀胱内の尿量を測定する携帯装置を開発して、12月から発売すると発表しました。縦11cm、横6.6cm、幅3.2cm、重さは200g。価格は24万円。
尿が一定になると音や光、振動で知らせてくれます。
使用する時はセンサーを直接、下腹部に装着します。センサーが超音波を発して尿量によって膀胱が膨らんだり縮んだりする変化から尿量を測定します。
厚生労働省から医療用具の製造承認も得ています。介護の人も助かりますね。
膀胱の神経障害は排尿が不完全で尿量も少量、かつ頻繁な尿意などから始まります。
残尿はバクテリアの繁殖に好都合なので膀胱炎や尿道炎にもかかりやすくなります。
年2回以上もこのような炎症を起すことは膀胱の神経障害のサインだとされています。
自分で尿意を感知するトレーニングや薬物療法がありますから、あきらめてはいけません。
いざとなったら、こんな便利な装置ができたのですから、尿漏れなどの排尿障害も症状が軽減されるでしょうし、なによりも気が楽になることがうれしいですね。
でも、まずは血糖コントロールに努力して、タバコや深酒などの『神経』に悪い習慣を改善していきましょう。それが糖尿改善の近道ですね。
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