クールビズに服装を合わせてみても、夏は発汗による脱水で痛風発作を起こしやすい季節です。そんな中、「仕事のあとはうまい生ビールを一杯!」なんてことをすれば、痛風発作の元になる尿酸値を上昇させるのは確実。
そこで、お酒大好きだけど、痛風で悩んでいる人に朗報。樽熟成したウイスキーと痛風の民間療法に使われているチェリーには、痛風予防の共通成分がみつかりました。夏の乾杯にはビールよりもウイスキーがおすすめ。その詳細を説明していきます。
夏の生ビールは痛風発作のもと
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生ビールで乾杯!とは痛風持ちの方はいきませんよね…痛風発作の原因の尿酸値が女性より高いので痛風は男性の病気です。ご存じのように尿酸はプリン体という成分から作られます。プリン体カットを売り文句にする発泡酒があるように、ビールはプリン体を多く含む飲料の代表です。実際、ビールを飲んだ前後を比較すると1mg/dL程度尿酸値が上昇します。通常ですとこの程度の上昇は問題となりません。
ところが夏は発汗のために、尿量が減って腎臓からの尿酸の排泄が低下しています。残念ながら汗腺からは尿酸の排泄はあまりなく、脱水により血液も濃縮して尿酸値が上昇しています。そのために痛風発作がもともと起きやすい状況で、尿酸の1mg/dL程度の上昇が発作の引き金となってしまいます。
チェリーに含まれるエラグ酸が尿酸を下げる!
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痛風を抑えるエラグ酸欧米では痛風発作予防の民間療法に昔からチェリーが使われているのを知っていますか?実際、チェリーを含んだ食事の前後に採血して血中尿酸濃度が下がる事も確認されています。チェリーは複雑な成分を含んでいますが、痛風に有効な成分の一つがエラグ酸。エラグ酸は4つのフェノール基(亀の子)を持つポリフェノールの構造をしています。そのエラグ酸が痛風に効くのです。
ウイスキーも痛風発作を予防?
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琥珀色に秘密あり!過度の飲酒はお酒の種類をとわずに痛風の原因となるとされています。しかし、ビールと異なり、蒸留酒のウイスキーは痛風発作の元となるプリン体を含んでいません。蒸留酒の焼酎もウイスキーと同様にプリン体を含みません。実際、ウイスキーも焼酎も痛風発作を起こしにくいお酒。
焼酎は透明でウイスキーは独特の琥珀色をしています。琥珀色は樽熟成中に生じる成分がもと。この琥珀色の成分中に痛風発作を予防する複数の成分がみつかりました。その一つがチェリーも含有しているエラグ酸。
健診で尿酸値が高くて痛風発作が心配な方は、この夏場の乾杯には、ウイスキーのソーダ割りまたは水割りで乗り切っていきましょう。
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痛風予防にはこまめに水分補給を[from All About 家庭の医学]