うつ病/うつ病の治療法・薬・カウンセリング

辛い時には快楽物質で、うつ病の道を吹き飛ばせ! 落ち込んだ時にはエクササイズ!

エクササイズは、心の健康に、良い効果があります。運動中には、快楽物質という体内で作られる麻薬のような物質が分泌されるので、気分は高揚し、すがすがしい気分になります。

中嶋 泰憲

執筆者:中嶋 泰憲

医師 / メンタルヘルスガイド


▼エクササイズ!

皆様は定期的に運動されてますか?エクササイズは、心身に良い効果がありますが、その他にも、素晴らしい効果があるのです!

皆様の周りには、運動好きの方はいらっしゃいませんか?その方々は、良く笑い、あまりクヨクヨせず、バイタリティにあふれた方々が多いのではないでしょうか。

人生いたる所に試練がつき物です。例えば、会社で上司からいじめられたり、お客様から大目玉くらったり、家庭で、奥様が逆上されたときなどなど。このようなとき、対処法を心得ているか、いないかで、大きく差が出ます。落ち込んでしまい、そのまま、うつ病への道が開けてしまうか、それともすぐ立ち直れるかの分かれ目には、エクササイズで脳に快楽物質を分泌させて、乗り切りましょう。今回は、つらい時、気分が落ち込んだときに役立つ、エクササイズと快楽物質の関係についてお話いたします。

まず、快楽物質とはいかなるものか説明します。


▼快楽物質とは

快楽物質とは、体内で作り出される麻薬のような作用のある、内因性オピオイドという物質群ですが、その中でもエンドルフィンという物質が代表的です。この快楽物質で脳の快楽中枢を刺激することによって、高揚感、快感が得られます。手術、出産、痛みなど、体にとってつらいことがあると分泌され、痛み、苦痛が軽減されます。


▼エクササイズで快楽物質を分泌

エクササイズをすると、この快楽物質が分泌されます。ランナーズハイという言葉を耳にされたことはありませんか?走り続けていくうち、いつしか苦しさが消え、気分はハイになり、どこまでも走り続けていけるような感じになる現象です。

運動をすると、体内のカロリー消費を増大させ、体温調整、発汗にともなう水分喪失、また、心肺系への負荷、筋肉の激しい収縮など様々な体の変化が起こるので、体はとってもつらくなります。これを和らげるために、快楽物質が分泌されます。

その為、一歩間違えば、心臓発作を誘発しかねないほどのスピードにもかかわらず、ランナーは快楽物質で脳の快楽中枢を刺激されるため、気分は最高という境地になります。しかし、体には強い負荷がかかっていますので、無理は禁物ですね。

余談ですが、このランナーズハイは、人工的に、なくすこともできます。快楽物質の効き目をなくすわけですが、快楽物質が麻薬のモルヒネと作用が似ていることから、モルヒネの作用をなくすナロキセンという物質を用いると、快楽物質の効き目がなくなってしまいます。


▼つらい時、気分が落ち込んだときには、エクササイズ!

ところで動物の話で恐縮ですが、犬も散歩をさせないと、ぐれてしまい、「クーン、クーン」と情けない声を出すようになってしまったら大変ですね。やはり、犬もクールな服をきて、快楽物質を分泌させながら、町を誇らしげに歩きたいものですよね。

皆様も、つらい時、気分が落ち込んだときには、快楽物質をお忘れなく!

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