Q)貴院の治療のこだわりの部分を教えてください。(ARTの部分)
A)そうですね、卵子の着床する確率をどのようにあげるか、そして多胎をいかに防ぐかという部分に気を配っています。そのためには様々な手法を用います。
培養に関しては出来るだけ体内と同じ環境に近づけるための工夫を行います。そして胚移植のタイミングも8分割卵割のタイミングで行ったり、胚盤胞移植を行なったりと患者さんに合わせて行なっております。ハッチングに関してもレーザーを使って卵子に負担が少ない方法を実施しております。
男性不妊に関してICSIはもちろん実施可能ですが、近隣泌尿器科施設と連携を取って男性不妊治療も着実に治療を行える体制にしております。
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待合室です。落ち着いたシックなイメージです。 |
Q)不妊治療をされている方に生活の面でのアドバイスをお願い致します。
A)「趣味を持ってください」というのが私のアドバイスですね。当院の患者さんの6割は仕事を持っていて、4割は専業主婦です。専業主婦の方はこもってしまう方が多いのです。
よって趣味を持っていただいて発散させて欲しいと思っています。表現的には的確どうかはわからないのですが、たとえばバッティングセンターのような処に行けばいいと思うのです。身体を使って力を込めてボールをたたくというのはストレス解消にもってこいです。まだの方は一度試して見てください(笑)
Q)不妊治療についてはアメリカで学ばれたということですが、日本の不妊治療とアメリカの違いで感じる部分はございますでしょうか?
A)アメリカでは妊娠・出産は「女性の権利」なのです。だからその権利に対して医療機関が協力をするという形になっております。よってアメリカに比べて日本の産婦人科医療は制限が多い医療になっています。だからアメリカでは60歳の方が卵子提供を受けて出産したりするわけです。
私としてはアメリカ的に女性の権利に対して協力をするという姿勢は賛成ですが、度を過ぎた医療(自然を越えた部分)に関してはいかがなものかなと思っております。
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スタジオです。ここではエアロビなどの教室も出来るし、勉強会や講演会が出来るようにスクリーンまで準備されています。 |
Q)AID,代理母、エッグドナーについて思う所を教えてください。
A)代理母については代理母の身体における負担が大きいのでその点が懸念される所です。またAIDにおいては子供の権利として15歳になれば出生を知る権利があるわけですが、知らない方が幸せだと思っております。その部分はまだまだ議論の余地があるのではないかと思います。
しかしいつか社会的に成熟してきて代理母やAIDなどが倫理的にOKになる日が来ると思っております。
Q)最後に貴院の将来のビジョンについて教えてください。
A)我々の希望は「誰でも気軽に立ち寄れるクリニック」になることです。そのためには相談しやすい環境が必須です。開院以来、その部分を意識してクリニック作りをしてまいりましたし、今後も継続して行く予定です。
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院長写真です。光の加減でちょっと暗いですが、先生ご自身は非常に温和で優しいです。 |
Q)その他なんでも伝えたい事があればなんでもお願い致します。
A)我々は患者さんのニーズに対して誠実に対応したいと思っております。何でもご相談頂ければと思っています。それからクリニック2階にはスタジオや広い談話室がございます。地域の皆さんにコミュニティとして有効活用して頂ければと思っております。
また、今後は勉強会やセミナーも積極的に行なう予定です。自分の身体について深く知っていただけるチャンスですので興味のある方は是非、ご参加ください。
まとめ
2004年10月に開業された新しいクリニックですが、すでに多くの妊娠例が報告されています。院長の小嶋先生と話していて伝わってくるのが誠実さと優しさです。とにかく患者さんのニーズに応えたいという気持ちが伝わってきます。様々なお話を伺いながら、妊娠が多い理由もわかってきました。
また地域連携型の不妊専門クリニックというのも非常にユニークで患者さんにとってメリットの大きい部分だと感じました。卵子から出産まで見ていただけるならリスクも少なく、それに越した事がないということですね。また出産後、更年期まで女性の医療に関してのよき相談相手となる部分は一貫性があり、安心できる部分でもあります。
小嶋院長先生、長時間の取材にも関わらず快く応じて頂き、ありがとうございました!
関連サイト
武庫之荘レディースクリニックホームページ
末包クリニック