新薬ゴナールエフについて
上記の問題点を解消するべく、FSHを100%ピュアにするため、遺伝子組み換え型の製剤をセローノが開発を行い、作られたのがゴナールエフという製剤です。
尿由来タンパクがなく、製剤間のばらつきがなくなったのが特徴的です。
そして岡田先生を中心とした臨床治験結果は下記の通りでした。
22例の治験を行い、18例が完了、4例が脱落をしました。18例のうち、16例が目標としていた精子濃度(1.5×106個)まで達した有効例(88.9%)として確認され、平均治療期間が36.4週でした。その中で妊娠例もあり、パートナーの妊娠が2例ありました。非常に高い有効率を示しています。
ゴナールエフ150単位の写真です |
気になる副作用ですが、脱毛が一例に見られたこと(テストステロンの影響も考えられる)と皮下注射を行うにあたり、3738回の注射総数に対し145回(3.7%)軽い発赤を確認しております。これによる投薬の中止はなかったとのことです。
MHH治療の質疑応答
質疑応答においては下記のような質問が出ておりました。
1) 小児例ではいつ頃から治療を開始するべきか?
2) ゴナールエフ+HCGの用量は?
3) テストステロン補充療法への転換記事は?
4) 前治療の影響は?
5) 独身者の問題
6) 女性の不妊治療にゴナールエフを使っても良いのか?
まとめ
今回の製造承認はオーファンドラッグといって対象患者数が少ない疾患に認められた形です。よって処方されたものすべてに市販後調査を行います。しかしながら、MHHの不妊患者さんにとっては非常に有効率の高い治療法ということで、男性治療の選択肢を広げたものといえるかと思います。
もし、夫やご家族でこのMHHを疑われるような場合はこのサイトをプリントアウトして近くの不妊専門クリニックに受診されることをお奨め致します。
★参照サイト
MHHの詳細情報
セローノ・ジャパン株式会社
帝京大学泌尿器科岡田助教授(東京)
越田クリニック(大阪)
天神つじクリニック(福岡)