このゴナールエフ皮下注用は低ゴナドトロピン性男子性腺機能低下症における精子形成の誘導において厚生労働省より製造承認を取得しました。5月11日より発売をされるそうです。それでは、ランチョンセミナーでのレポートをお送り致します。
岡田先生です。男性不妊治療の第一人者です。 |
今回、詳しい治験内容を発表されたのは帝京大学助教授の岡田 弘先生です。
低ゴナドトロピン性男子性腺機能低下症(MHH)
低ゴナドトロピン性男子性腺機能低下症(MHH)は視床下部性と下垂体性に分けられます。約10000人に1人の頻度で発生する疾患であり、そんなに多いものではないことがわかります。
症状としては性成熟障害、女性的な脂肪分布、幼児体型、体毛の欠如などが上げられます。よって身体所見で分かりやすい疾患と言えます。
検査は内分泌検査がメインです。下垂体性のホルモンや視床下部性のホルモンを検査することにより確定診断を行います。
MHHの治療について
まず治療を行う時には患者さんの希望を最優先いたします。そして社会生活上の問題を考えながらの治療になります。身長や性成熟、不妊症などの問題をどのように解消していくのかを患者さんの要求と生理的に適合しているのかを合わせて考えてまいります。
性成熟においてはテストステロンや今回の薬剤「FSH+HCG」を使うことになりますし、精子の形成においては「FSH+HCG」やGnRHポンプ療法を選択することもあります。しかし、今まで文献的にはまとまった症例の報告はありませんでした。
第94日本泌尿器科学会総会は福岡国際会議場にて行われました。 |
今までの治療の問題点
今までは保険適用はされていませんでしたが、HMG製剤とHCG製剤が使われていました。しかし、HMG製剤は様々な問題がありました。
1) 精製法の問題で尿由来の夾雑タンパクの混入によるアレルギーの問題、
2) 製造ロット毎の力価(効き目)のばらつき
3) 原材料の尿の問題(ドナーが特定できない)
4) FSH濃度の測定方法(50年以上前から同じBioアッセイ法)