培養室の風景です。ここも設備の充実度と広さに驚きました。 |
まずは治療内容を知る事だけではなく、自分の治療を理解することは大事だと思います。きちんとわかるまで勉強したり、質問することは必要なのではないでしょうか?医者任せにして、自分がどの様な医療を受けているのかわからないまま過ごしている人も多いようです。専門医であれば、患者さまに解る言葉で説明してくれるはずです。そのことを医者選びの一つの目安にしてもいいと思います。
それから自分の医療情報(カルテ情報)は財産です。他のクリニックや病院に移るときには引き継いでください。そうすれば次に行ったクリニックでの治療がスムーズに進むはずです。
■初診にはどれくらい時間をかけていますか?
初診には時間をかけるようにしています。よってお昼の時間や診療時間の最後に予約を取ってもらうようにしています。また初診でなくても説明に時間がかかるものには時間のとれる時間帯に約束をして来てもらうようにしています。
話は変わりますが、初診のときに親がついてくるようなケースも見受けられます。その場合はまずカップルだけに話をします。不妊はカップルの問題であることをお話しした後で、カップルが家族への説明を希望する場合は家族にもお話をします。不妊治療には夫婦間のコミュニケーションが大切です。よって腹腔鏡手術のような場合もカップルのみ同伴OKで親などの家族には関わらせないようにしています。
■代理母出産やエッグドナーについてのご意見を聞かせてください。
当病院では病院内に倫理委員会があり、産婦人科学会に合わせて倫理的に考えなければならないケースを審査しています。この倫理というのは世の中が決めるものと思っています。生殖医療の特徴は、その医療行為の結果が次の世代や人類の将来に影響を与えることです。生殖医療は生まれてくる子供と社会にまでも責任を持たなければいけません。よって、カップルの要望は尊重しますが、社会的通念やルールに従うべきものと考えています。代理母についても同じだと考えます。
エッグドネーションについてもルールが必要かなと考えております。例えば高度生殖医療をした時の余剰卵を有効活用するためには政府機関などの決められた所で行なえるなどの工夫は今後必要なのかなと思います。
リカバリールームです。落ち着いた雰囲気です。 |
地域医療連携に力を入れたいと考えております。そのためのネットワーク作りをしたいと思っております。それは高度な治療を行う時でも、患者さまに注射1本打つだけのために病院まで来てもらうというのは効率が悪いので地元のクリニックで行なって頂き、専門医がすべき検査と治療に際しては病院の方まで来て頂くということです。それによって患者さまの利便性があがると考えております。
亀田総合病院は千葉の鴨川なので交通の便が多少悪いのですが、同じ法人の亀田総合病院附属幕張クリニックの方にも外来日を設けておりますので、グループとしても千葉県の患者さまを中心に、患者さまの利便性を高めるような努力をこれからも継続していく予定です。
それから今後、ネットワークの中で若いドクターの育成に力を入れていきたいと思っております。優秀なドクターのネットワークをじっくりと作り上げて患者さまをサポートしていきたいですね。
<まとめ>
今回、亀田総合病院の眺めの良いレストランでインタビューをさせて頂きましたが、眺めの良さもさることながら、己斐先生のこだわりの不妊治療に引き込まれた1時間30分でした。いい環境でいいスタッフがいて、落ち着いて最新の治療が出来るというのはここならではのものだなと感じた次第です。単に観光ホテルとして活用しても違和感のないロケーションと設備には特筆すべき点が多々あります。また、次の取材の機会にこの亀田総合病院の設備を写真で詳しくご紹介したいと思います。日本有数の不妊治療設備といえると思います。お楽しみに。