不妊症/男性不妊の原因・検査法

精子研究の第一人者に聞く男性不妊(2ページ目)

今回は精子研究(男性不妊)の権威、岩本教授を取材してまいりました。なぜ日本人男性のSEX回数は減少しているのか、どのような治療が望ましいのか、自然妊娠のヒントを考えてみましょう。

執筆者:池上 文尋

日本人男性のSEX減少の理由

Q)最近、日本人男性のSEXの回数が減っていますが、どのようにお感じですか?

A)SEXの回数はカップルの個人的なセックスライフに依存しますが、日本の場合は文化的背景や生活習慣によって影響されていると思います。やはりストレスでしょうね。これだけストレスの強いビジネスライフを送られていると男性の心因性のED(勃起障害)の頻度は上がってくるし、女性のほうも意欲が低下します。


自然妊娠を目指すセンターの特徴とは?

Q)この病院のリプロダクションセンターについて教えて下さい。

A)女性不妊と男性不妊の専門家がタッグを組んで自然妊娠を目指す、というのがモットーです。

センター内にそれぞれの専門家が常駐しているため、不妊に悩むカップルが一緒に診療を受けられるというのが大きな特徴のひとつです。当センターの患者様のうち、6~7割は最初からカップルで受診されていますが、男女同時に検査と治療をスタートすることで、貴重な時間や費用も節約できます。私としては、隠された病気を見つけて、全ての可能性を追求したいと思っています。

しかしながら精巣内で精子が成熟する約90日間のドラマが解明できていないために、有効な治療薬が開発されていないことから、人工授精、体外受精、顕微授精が必要になって来ます。そのような患者様に対し、当センターでは福島医大にて日本初のICSI(顕微授精)による妊娠・出産成功例を手がけたセンター長の柳田薫教授、片寄治男准教授らによって高度生殖医療技術を提供出来る体制を整えています。

精子
病院待合室です。広くてゆったりとしたスペースになっています。
また特殊なケースでは脊椎損傷、悪性腫瘍の手術後の射精障害、化学療法後の患者様に対しての精子の採取やパイプカット後の挙児希望患者様には精路再建術なども行っております。

リプロダクションセンターとしては、大学病院の中にある施設としてのメリットを最大限に活かし、研究にも力を入れていく予定です。精子形成機序解明とその基礎研究から薬につながるような成果を出したいと思っています。

一般の不妊専門クリニックは、女性の患者様を意識して造られているところが多いせいか、男性にとってはなんとなく入りにくい、と敬遠する方も少なくありません。当センターは複数の診療科が並ぶ大学病院内にあり、しかも男性不妊外来は女性不妊外来と別フロアのため、プライバシーにも配慮しています。

次のページでは授かり婚もあり? 男性へのメッセージです。
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