フォリスチムの用法・用量は?
フォリスチムは、初期投与として1日50国際単位(IU)を7日間、皮下又は筋肉内投与し、その後は様子を見ながら25IUずつ増量していく方法で使用されます(低用量漸増法)。新しい適応症におけるフォリスチムの有効性は?
FSH製剤は卵巣に作用し、卵胞を育てるお薬です。 |
妊娠継続率や多胎妊娠率、副作用である卵巣過剰刺激症候群(OHSS)の発現率には有意差はなかったようです。
また、低用量漸増法でフォリスチムを使用する場合の増量幅を25IUと50IUの場合で比較した試験では、25IUの方で有意に総投与量が少なく、排卵率も高く、また単一の卵胞だけを発育させる割合(単一卵胞周期率)が高いことも示されています。
まとめると、フォリスチムは、低用量漸増法では、少ない初期投与量、増量幅、総投与量で、尿由来のFSH製剤と同等の良好な排卵率をもたらすということになります。また、単一の卵胞だけを発育させることにおいても、フォリスチムの方が優れているので、多胎によるリスクや卵巣過剰刺激症候群といった副作用の予防にも効果があるといえます。
気になる費用は?
海外では患者さんの利便性を考えて、自己注射が行われております。 |
通院の問題
この適応症に対して用法・用量通りに薬物治療を行うと、患者さんに2週間もの長期にわたり連続して通院を強いることになり、患者さんにとっては大変な負担になります。対策としては、たとえば、通院中の不妊専門クリニックに相談して、自宅や勤務先近くのクリニックで注射をしてもらえるようにセッティングしてもらうなどの方法があります。欧米のほとんどの国ではすでにペン型注射器による自己注射が認められおり、日本においても導入が望まれています。
まとめ
今回はフォリスチムの保険適用についての最新情報でした。治療の選択肢が1つ増えたことにより、また妊娠される方が増えるのではないかと期待しております。
今回のこの保険適用においては患者団体や有識者の方々の陳情や署名運動が後押しをしていた現状があります。このように少しずつでも患者さんの利便性やメリットが高まるようにみんなで考え、行動していくことが大事なんだなと感じた今回の保険適用でした。自己注射も早く認められるよう願う次第です。特に地方や離島の方には必要な製剤ですから。
※正確な情報が必要な方は、日本オルガノン社が運営する以下のウエブサイトをご参照下さい。
医療従事者向けサイト:ファティリティー.jp
患者さん用のサイト:ファティリティー・ジャーニー