年々増える体外受精・顕微授精
「あなたは不妊症ですね」と診断をつけられた時から「私って不妊なんだ、ガーン!」とショックを受ける方が多いのはご存じの通りです。でも不妊症という病気って他の疾患と根本的に違うところがあります。
それは不妊症は「今現在、子供が出来ない状況にある。もしくは運悪く子供ができていないだけ」であって、痛いとか苦しいという身体的な症状があるわけではありません。不妊症だと言われて精神的につらいだけです。
夫婦で常にコミュニケーションを取りたいですね。 |
原因は色々とありますが、実はほとんどが原因不明なのが実態です。だから検査で原因となるものが見つかればそれはラッキーです。今のほとんどの治療はまずは原因となりそうなものを改善し、それでもだめなら複合的になにか原因があるとみて、薬物療法を行い、効けば「あ~理由はOOだったんだな」と後付けの理由というのが多いのです。
それでも妊娠しないなら人工授精や、そして高度生殖医療に移行してきます。ここまで至る人は不妊治療患者の10%ほどと言われてきました。
しかし、高度生殖医療専門クリニックが増えてきたことがきっかけで不妊治療の早い段階で体外受精を受ける人がこの数年で急増してきました。そのデータは下記の通りです。
<産婦人科学会データ~体外受精・顕微授精治療周期総数>
倫理委員会・登録・調査小委員会報告より(体外受精・胚移植等の臨床実施成績及び登録施設名)
平成16年 116604(治療周期数 註)
平成17年 125470
平成18年 139467
註:治療周期とは体外受精治療を行った回数を意味する。周期というのは月経周期に合わせて治療するため周期数と表示される。人によっては複数回実施するので人数では表していない。
関連サイト
日本産婦人科学会委員会報告
もちろん年齢が高くて時間がない場合はその選択もありだと思いますが、20代でも不妊治療はつらいと聞いているから、簡単に妊娠できる体外受精にしてしまおうという風潮が生まれています。
体外受精・顕微授精は年々増加しています |
そこで考えてほしいのが「なぜ今、あなたの体は不妊状態なのか?」ということです。赤ちゃんが欲しいという気持ちは理解できますが、不妊状態にある体には色々と理由があります。
夫婦仲がうまくいっていないから、仕事が忙しくて身体のケアができていない、ストレス状態が続いているなど子供を作ろうという状況になっていないのではないでしょうか?
次ページでは実際の事例をお話致します。