産婦人科は実は産科と婦人科の合成語なのですが、大抵の場合は一緒にされています。実は産科の中には色々な専門領域があり、また婦人科でも様々な専門領域があります。不妊症治療は婦人科基礎研究の中の内分泌や発生学といった分野に相当します。だから大学でこの分野の基礎研究をされていた先生が臨床では不妊症治療の得意な先生になることが多いようです。
しかし産婦人科の先生方は普通、診療所や一般病院での通常の診療においてお産や更年期障害や子宮内膜症、子宮筋腫やガンなど様々な患者さんが来るので、全部をこなさないといけない状態になっています。だから不妊症の治療だけを深くすることがなかなか難しい状況です。
また不妊が得意でない先生が多いのでまず不妊症かなと思ったら、不妊の専門クリニックへ行く事をお薦め致します。その理由は下記の通りです。
1) 専門家なのでコツがわかっている
2) 妊婦さんがいないので変な気を使わなくてよい
3) 検査から治療までの流れがスムーズ
4) 妊娠までの時間が短縮できる
5) 場合によってはカウンセリングや話すための時間を多く取ってくれる
もし不妊専門クリニックが不可能な場合は病院の不妊外来を受診してください。ただし、主治医が決まって、その先生がいいと思ったらある程度の期間は同じ先生で治療することをお薦めします。検査から治療の効果を見るまで最低でも半年はかかるからです。
特に大学病院の場合は毎日、先生が変わるのでその部分をきちんと確認して担当の先生とのコミュニケーションをとっておくことは大事な事でしょう。
不妊専門クリニックはどうすれば探せるのか?それについて少し説明させて頂きます。
1) 1番いいのは知り合いの紹介です。友人などがその専門クリニックに受診して妊娠したという先を紹介してもらうことです。
2) 主治医の紹介による専門医への紹介です。紹介状は効きます。
3) 当サイトをはじめ、インターネット情報による検索
4) 電話帳(不妊専門を確認すること)や不妊の本
実は不妊を専門できちんと見てくれる先生は意外と少ないものです。だからきちんとした情報に基づいて行かないと時間とお金の無駄になることがあるのでご用心ください。
最後に先生との相性についてお話します。どんなに著名で妊娠率の高い先生でも自分があまりこの先生とはうまくやっていけないなあと思ったら病院を変えることをお薦めします。なぜならお互いに信頼関係がないと治療は進まないからです。
合わないと思って治療を受けるほうが逆にストレスになって不妊の原因となることもしばしばあることです。相性・・・とっても大事ですよ。