年齢でPMSの症状が変わるってホント?
PMSの症状は年齢で変わります
その結果、20代の女性では頭痛、肩こり、乳房の張り、イライラするといった症状が多く見られました(肩こりは乳房が張るからかもしれませんね)。身体的な症状が多く訴えられていることがわかります。
ところが30代になると、こういった症状に加えて、20代ではあまり感じられなかった、むくみ、頭重感、食欲増加、攻撃的になる、一人でいたい、など多様です。比較的精神的・社会的な症状が目立つようになります。
PMSがかつて「30代不機嫌症候群」などという、何ともあまり芳しくない名前で呼ばれていたことには、こういった症状の変化によるものがあるのかもしれません。
余談ですが、「元々頭痛持ちなのですが、PMSの時期に必ず頭痛も起こるようになってしまいました」とか、「口唇ヘルペスがPMSの時期に気になるようになりました」といったお話もよく聞きます。自分のもともと持っている持病が、PMSの時期に出現しやすくなってしまうこともあるようです。
これらの精神的なものを含むPMS症状は30代後半からはだんだん落ち着いてきて、40代ではまた頭痛、肩こり、乳房の張り、イライラなどの症状が主になるようです。
出産経験でPMSの症状が変わるってホント?
これも本当のようです。出産したことのある人と出産したことのない人のPMSの症状の変化を調べた調査をご紹介します。出産経験のない人では「下腹部痛、頭痛、肩こり、乳房が張る・痛い」といった身体的な症状の訴えが強いのですが、出産を経験したことがある人では「アレルギー、イライラする、怒りやすい、攻撃的になる、自分をつまらない人間だと思う、健康管理ができない、家族に暴言をはいてしまう」など、精神的・社会的な症状が目立つという結果になりました。
出産経験がある方が精神的な症状が出やすくなる原因は、女性ホルモンの影響だともいわれていますが、はっきりとは解明されていません。単にPMSというだけでなく、育児によるストレスなども関わっているかもしれませんね。下腹部痛が軽快するのは出産によって子宮の入り口が開くからともいわれています。いわゆる「子供を産むと下腹部の痛みが楽になる」というのは本当のようです。
PMS症状が出る時期は、体の中の女性ホルモン(黄体ホルモン、卵胞ホルモン)が急激に減る時期です。女性の体の中では、たった1ヶ月のうちに本当にものすごい変化が起こっています。PMSの一番の対処法はまずは「自分がPMSだと認識すること」だともいわれています。まずは自分の体の傾向とリズムを良く知って、上手に付き合ってくださいね。
PMS解消法については「自宅でできるPMS解消 食事編」や「自宅でできるPMS解消 生活編」も併せてご覧下さい。
参考文献 月経らくらく講座 松本清一監修(分光堂 2004)