婦人病・女性の病気/生理痛・月経痛・排卵痛

生理痛の原因と対策、月経痛はなぜ起こる?(2ページ目)

月経中の腹痛や腰痛は女性にとっては深刻な悩み。病気が隠れていたり日常生活にも支障をきたすことも。今回は月経痛の仕組みと対策です。

山田 恵子

執筆者:山田 恵子

医師 / 女性の健康ガイド


『目にみえるはっきりした異常がない』のに痛みが起こる場合
機能性月経痛

これには子宮収縮ホルモンが多い、子宮口が狭い、心理的原因などが考えられています。


子宮の収縮ホルモンが多い

月経のとき、剥がれ落ちた子宮内膜を外に出すために、子宮内膜から『プロスタグランジン』というホルモンが分泌されます。

ところが,このホルモンがくせもの。出産時に大量に分泌されて陣痛を起こすものだといえば、大体のイメージはつかめると思います。『飲む中絶薬』成分の一つでもありましたね。(飲む中絶薬とは)

きちんと月経血を体外にだすために必要なものなのですが、多すぎると必要以上に子宮が収縮して子宮の血のめぐりが悪くなってしまい、その結果、痛みがおこるといわれているのです!

月経痛の無いヒトに比べ、月経困難症のヒトはプロスタグランジンの濃度が高いことがわかっていますが、残念ながらこれは体質的なもののようです。余談ですがプロスタグランジンには腸の動きを良くする働きもありますので『生理になると便秘が治る』というお話はこのホルモンも一役買っているのですね。


子宮口が狭い

子宮の形が原因
子宮の形が原因
右の子宮の形をご覧下さい。子宮の出口(子宮と膣をつなぐ部分=子宮頸管)はもともと構造的に狭くなっていますよね。子宮がまだ発育しきっていない10代~20代前半の方や、出産経験の無い方は、この頚部が狭くて硬いので、ドロッとした月経血がスムーズに押し出されずに、痛みが起こってしまうのです。

『出産すると生理痛が軽くなる』といわれますが、コレはほんとの話。赤ちゃんが一度通る事で、頚管が一度広がるのでそれ以降の月経が楽になるのですね。また、10代のころのひどい月経痛は、子宮が成熟してくるとだんだん軽くなることが多いのでひとまずご安心を。


心理的な原因

月経痛のあるヒトに『痛み止めです』といって偽のお薬を出すと、それだけで3~4割のヒトで痛みが軽くなったという実験もあるくらい、月経痛には『生理って痛いもの』『生理ってやなもの』という心理的な影響があると考えられています。あまり気にしすぎないほうがいいかもしれませんね。

また、ストレスや過労、不規則な生活やバランスのとれていない食生活も自律神経の失調状態をおこし、痛みをひどくすると考えられていますのでご注意を。


冷えや運動不足で血流が悪い

冷房や薄着などによる冷えは、血流を悪化させ、生理痛をもひどくさせることがおおいもの。また、慢性的な運動不足も同じように血流の悪化を招きます。オフィスでの冷房対策もきちんとしましょうね。


次ページでは『月経痛をラクに乗り切る方法』にせまります>>


=月経痛の原因と対処法
月経痛をラクに乗り切る!INDEX=

1.目に見える原因がある場合 器質性月経痛

2.目に見える原因がない場合 機能性月経痛

3.月経痛をラクに乗り切る方法
 

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