もし、抗体検査陽性だったら?
C型肝炎の抗体陽性の意味は、以前に感染したことがある証拠。ただし、抗体が陽性でもウイルスが肝臓で必ずしも増殖して肝炎を起こしている訳ではありません。C型肝炎の抗体陽性の場合は、血液中のウイルス量を調べる検査を受けましょう。もし、血中のウイルスが検出できない場合は、現在は治っている既感染者である可能性が高いことになります。
一方、ウイルスが血中から検出された場合は肝臓での持続感染を考えます。持続感染の場合は何をすべきでしょうか?
まず禁酒を!
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感染していた場合は、まずは禁酒を!結論から言えば、血中にC型肝炎ウイルスが証明できた人は、まず禁酒ということになります。肝炎の進行状態を調べるには肝臓の一部を取る針生検検査を行います。針生検による肝臓の炎症状態と血中ウイルス量が相関することがわかっており、調べてみると飲酒は血中ウイルスを増加させる傾向があります。
すなわち、飲酒は肝臓での炎症を進行させる可能性があります。実はC型肝炎検査が普及する前に言われていたアルコール性肝炎の多くは、持続性のC型肝炎感染者が飲酒していたために肝炎が進行した人が多く含まれていたと推定されています。安心して飲酒するためにもC型肝炎の検査は大切です。
インターフェロンが有効!
治療が必要なのは抗体陽性でかつ、血中にウイルスを証明できる持続感染者が対象となります。インターフェロンはC型肝炎を含めていろいろなウイルスに感染すると体内で産生される抗ウイルス作用がある物質です。現在、インターフェロンは遺伝子工学で大量に作る事が可能となっています。インターフェロンを使用すると血中のウイルスが減少します。中でもインターフェロンにPEG(ポチエチレングリコール)を結合させた製剤は、週1回の投与でも効果を発揮します。PEGと結合したインターフェロンの投与は、病院への通院回数を減らすことができ、治療のための時間的な負担を軽減することができます。しかし残念ながら、インターフェロンは、すべての人に対して有効な訳ではありません。
瀉血(しゃけつ)療法も有効!
中世行われていた万病に効くとされた治療方法に瀉血療法があります。瀉血療法とは体から血を抜く事です。血を抜くと体は失われた分の血液を作ろうとします。赤血球を作るためには鉄が必要です。鉄分が足りない貧血(鉄欠乏性貧血)時の食事療法にはレバーを薦めるように肝臓は鉄を豊富に貯えています。瀉血した場合は自分の肝臓からの鉄を骨髄で使って赤血球を作ります。実は、瀉血療法により肝臓の鉄分を減少させるとC肝炎の進行を遅らせることができるのです。
現在、治療方法は発展途上にあることは間違いありません。
関連リンク
将来、気になる病気[from All About 家庭の医学]
C型肝炎について[厚生労働省]