古くから「持病の癪(しゃく)」と呼ばれた症状があります。時代劇でも時々聞いたことのある言葉だと思いますが、この症状を起こす病気を逐一正確に診断するのは当時の技術では難しく、胸やお腹の激痛を総称して「癪」と表現したようです。現代人に起こる持病の癪、その原因の1つは胆石です。
 

発病するまで気がつかない胆石!

お酒が好きな人
お酒が好きな人、ガンマGTPだけでは胆石の有無はわかりません
胆石とは、肝臓の下面にある胆嚢(たんのう)の中、あるいは胆嚢から十二指腸につながる管の中までにできた「石」を指します。この石は、コレステロールが異常に高いためにできるコレステロール系結石、あるいは停滞した胆汁の中に細菌感染が生じて作られるビリルビン系結石に大きく分類されます。いずれにしても、胆石を持っている人の半数以上は無症状です。

胆石は存在する部位によって胆嚢結石、総胆管結石、肝内結石のように分類されますが、一言で胆石といった場合、一般的には胆嚢の中にできた胆嚢胆石のことを指します。胆嚢胆石は、肝臓からの分泌液である胆汁の成分であるコレステロールが胆嚢の中で結晶化し、少しずつ大きくなってコレステロール系結石になることが多いようです。日本人にはそれほど多くなかったのですが、食生活の欧米化に伴ってこの胆石を有する人も増えてきました。


持病の癪! かなりイタイ疝痛発作

胆石で有名なのが、疝痛発作(せんつうほっさ)と呼ばれる症状です。その激痛に耐えかねて救急搬送される方も少なくありません。特に油っこい食事、あるいはお酒を飲んで3時間ぐらいしてから痛みが起こりやすく、胆嚢に近い右の横腹の痛みだけでなく、右の背中に痛みが放散(広がる)することもあります。

この際に、右の横腹(肋骨の下)を手で圧迫したまま呼吸をすると、疝痛発作を起こしている人は痛みのために息を吸うことができずに一瞬呼吸を止めてしまうことがあります。このサインをMurphy徴候(マーフィー徴候)と言います。胆石に伴う合併症として、その他にも黄疸や発熱、ひどいときには胆嚢に炎症を起こして壁が避けることで生じる腹膜炎を併発することもあります。

無症状のことが多い胆石ですが、疝痛発作を起こした患者さんによると「二度とこんな思いはしたくない」ということでした。予防するには食生活を見直さなければなりません。