過食
食事の食べすぎにより脂肪肝などが引き起こされます。中には肝硬変まで進行してしまう脂肪肝もありますよ。
それぞれの臓器ごとによく見られる病気を簡単に解説します。

肝臓の病気

■ 急性肝炎
A型、B型、C型、D型、E型、G型などがあり、それぞれ異なったウイルスによって引き起こされます。A型肝炎は、ウイルスを含む食物を食べたり、飲んだりすることによってかかります。汚染された生水や貝などが原因になります。B型肝炎やC型肝炎はそれらを含む体液や血液が体内に入ることにより起こります。輸血のほか、肝炎にかかっている人と性交することでも感染します。

■ 慢性肝炎
慢性肝炎は肝臓での炎症が6ヶ月以上持続する状態を指します。日本では70%強がC型肝炎ウイルス、約20%がB型肝炎ウイルスによるものです。B型、C型ともに肝炎の炎症状態が継続すれば、徐々に病気が進行して肝硬変へと移行することになります。B型肝炎、C型肝炎ウイルスによる慢性肝炎では細胞分裂を繰り返すことにより肝がんの危険性が高まります。

■ 劇症肝炎
肝炎は時に劇症型といって高度の肝機能障害、意識障害を起こし、数日から数十日で死亡してしまうような急激な経過をたどるものもあります。劇症肝炎となるのは急性肝炎の中で1%程度です。

■ 肝硬変
あらゆる慢性進行性肝疾患の終末像です。肝硬変では、肝臓の細胞が破壊され、肝臓は正常の機能を営むことが出来なくなります。日本ではB型肝炎、C型肝炎が肝硬変全体の80%を占め、アルコールによるものが10%ほどです。

■ 肝がん
肝細胞に由来する肝細胞癌と、胆管細胞に由来する胆管細胞癌がありますが、それ以外にも胃がんや大腸がんなどほかの臓器から転移してくる転移性の肝がんもあります。肝細胞癌はその原因の大部分(90%近く)が、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルスによるものです。また、肝細胞癌の約90%が肝硬変を合併しています。

■ 脂肪肝
肝臓の細胞の中に中性脂肪が蓄積した状態で、顕微鏡で見ると肝臓の細胞の中の30%以上に脂肪が貯留している状態を脂肪肝と呼びます。近年わが国では食生活の欧米化、さらには過栄養により、脂肪肝の頻度が増加しています。肥満があって、大酒家に多く認められます。自覚症状はあまりありません。

■ アルコール性肝障害
過剰の飲酒により起こる肝障害で、常習飲酒家(日本酒換算1日3合で5年以上:日本酒1合のアルコール量はビール大瓶1本、またはウイスキーシングル2杯に相当)にみられ、かつ禁酒により肝機能が改善するのが特徴です。ただ、個人差や性差も大きく、特に女性では少ない飲酒量、短い期間で発症しやすい病気です。禁酒が守ることが出来ないと、肝硬変に移行する危険性があります。

■ 肝血管腫
健康診断のエコーで指摘されることが多い病気ですが、肝臓の良性腫瘍のうち最も頻度が高いものです。女性に多く、緩やかに発育しますが、通常、無症状で自然に出血することはまれです。通常は、年に1回の定期的なフォローアップのみで良く、治療を必要とすることは多くありません。

胆のうの病気

■ 胆石症
胆のう、胆道内に作られた結石が胆石で、コレステロールが主成分のコレステロール結石が全体の60%を占め、その他ビリルビン結石などがあります。中年以降、年齢とともに胆石保有率は上昇し、70歳を超えると約20%になります。女性に多い病気ですが、日本ではそれほど性差は大きくなく、女性の胆石症は男性の約1.2~1.3倍です。胆石発作はみぞおちからやや右側の肋骨の下あたりに強い痛みが周期的に繰り返すもので、熱が上がったり黄疸が出たりもします。胆石発作は過食、過労などが誘因となります。

■ 急性胆のう炎、急性胆管炎
胆のう炎、胆管炎の大部分は、胆石症が原因となります。胆石などで胆汁の流れるどこかに閉塞、通過障害が起きたときに、細菌の感染が加わると、発症します。寒気、震えを伴う発熱、みぞおちのやや右側の腹痛、黄疸が三大症状です。しかし、似た症状を起こす病気は他にもあり、急性胃腸炎や、消化性潰瘍などでも同様の症状が起こることがあります。

■ 胆のうポリープ
胆のうの中にみられる隆起性の病変を総称して、胆のうポリープと呼びます。胆のうポリープの95%以上がコレステロールで出来た良性ポリープです。成人の5~10%が胆のうポリープを持っており、40歳~50歳代に出来やすく、男女差はありません。胆のうポリープそのもので症状が出ることは少なく、主に健康診断の腹部超音波検査で見つかることが多い病気です。

■ 胆のう癌
胆のう癌の危険因子としては、胆のう結石があります。胆石症の2~3%に胆のう癌を合併し、胆石症を持っている人は、胆石症を持っていない人の9倍、胆のう癌になりやすいとも言われています。ただ、早期には症状が乏しいため、胆石を持っている人は定期的に検査が望ましいといえます。

すい臓の病気

■ 急性すい炎
すい臓にはたんぱく質を分解する酵素であるトリプシンのもととなるトリプシノーゲンが存在しています。これが様々な原因で活性化されると、すい臓の組織を自己消化してしまいます(体の組織はたんぱく質で出来ている)。この状態が急激に起こるのが急性膵炎です。アルコール摂取や胆石症が膵炎発症の成因として頻度が高く、症状としては、急激にみぞおちから背中にかけて痛みが走り、吐き気や嘔吐、発熱が見られることもあります。この痛みは脂肪分の多い食事やアルコールを摂取すると悪化することがあり、前かがみにうずくまると、痛みが和らぐという特徴もあります。

■ 慢性すい炎
慢性すい炎は、すい臓で炎症が繰り返されることにより、正常な細胞から線維組織や石灰化などへの変性を起こし、正常のすい臓の機能が働かなくなっていく病気です。半数以上はアルコールとの関連性が指摘されています。数年以上にわたり、過度の飲酒歴がある男性で、繰り返し繰り返し、急性すい炎でみられるようなみぞおちから背中にかけての痛みを起こしている人が、典型的なイメージです。消化吸収不良からくる白い脂肪便なども見られることがあります。消化吸収により、体重減少が起こります。すい臓で作られるインスリンの分泌も不十分になり糖尿病となることもあります。

■ 膵がん
50~80歳に多く、近年増加傾向にあります。やや男性に多く発生しますが、その原因は分かっていません。初期の症状としては「なんとなく胃の具合が悪い」などといった特に特徴のないお腹の症状が比較的多く見られます。はっきりとした自覚症状としては腹痛と黄疸があります。それ以外では腰痛、背中の痛み、体重減少、食欲不振などもみられます。ただ症状に典型的なものはなく、早期に診断できる決め手がないため、早期発見がとても難しい癌といえます。

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