そこで、肝癌の予防と安心して飲酒を楽しむためにも、C型肝炎の抗体検査を受けてみましょう。
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C型肝炎ウイルスと肝癌の関係
男性3位、女性4位の肝臓の悪性腫瘍が原因で亡くなった方は、実数では男性約2万人、女性約1万人です。肝癌の原因の10%は原因不明ですが、残りの90%はウイルスが関係しており中でもC型肝炎が70%以上関係していると推定されています。もしC型肝炎が原因の肝癌が無くなれば、約2万人の方が癌で亡くならないことになります。
C型肝炎ウイルスは医原病(医療行為が原因となって生じた疾患)?
C型肝炎の感染経路には、まだ謎の部分があります。日本人では年齢によってウイルスに感染した証拠の抗体の陽性率に差があります。40歳以下だと1%以下と推定されており、40歳以上だと1%以上、高年齢ほど抗体の陽性率が高くなります。そもそもC型肝炎はどのように感染するかというと、C型肝炎ウイルスは血液を介して伝染します。そのために過去の輸血歴と関係することがわかっており、輸血とは異なりますが、人の血液から作った製剤の投与と関係することもわかっています。
他には、地域差があることもわかっています。注射器を使い回した頃の予防注射を行った地域とC型肝炎の感染者の分布が重なることも事実。輸血、血液製剤、予防注射などの医療行為と関係する医原病(医療行為が原因となって生じた疾患)と考えて問題ありません。
しかし、現在、輸血によるC型肝炎の感染は、ほとんどありません。また、血液製剤は加熱してあるので感染の原因とはなりません。他にも、予防注射に関しては使い捨ての器具を使用しているので、感染の危険はまったくありませんのでご安心ください。
C型肝炎が健診でわからないのはなぜ?
肝炎というと健康診断の血液検査で判断できそうな感じがしますね。通常、健康診断での肝炎検査の指標としている検査項目は、肝細胞の寿命が尽きて壊れて血中に漏れた物質を指標としています。ところがC型肝炎では、それほど肝細胞の壊れる量が増えている訳ではありません。血液検査をしても基準値内のことが多く、そのために従来の検査では見落とされてしまいます。では、何の検査をすればいいのでしょうか?
抗体検査陰性ならば大丈夫!
C型肝炎は一度感染すると、ウイルスに対する抗体が持続することがわかっています。まず、C型肝炎に対する抗体の検査を受けましょう。抗体陰性ならば、今現在の日本の医療行為では医原病として感染することはほとんどないので、感染する機会はありません。つまり、肝癌になる可能性が75%減ったことにもなります。
一方で、もしも抗体が陽性の場合は、何をすべきなのでしょうか?
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