「脂肪肝」をご存知ですか?簡単にいうと「フォアグラ」ですね。脂肪肝は腹部の超音波検査で簡単にみつかる肝臓の状態です。脂肪肝は観察が必要ですが良性の病態とされてきました。しかし、タイプによっては対策が必要です。

そこで今回は、脂肪肝の中でも気をつけたい脂肪肝についてご説明します。

<<Contents>>
  • 脂肪肝は歩くファアグラ-p.1
  • 非アルコ-ル性脂肪性肝炎-p.2
  • 脂肪肝と言われたら・・-p.3

    脂肪肝って何?

    フォアグラは美味だけど、脂肪のつきすぎはよくないですね
    脂肪肝を説明する前に脂肪代謝(脂質代謝)における肝臓の役割を簡単に説明します。

    小腸で吸収した脂肪はカイロミクロンという大きな粒子になってリンパ管を通ります。カイロミクロンはリンパ液から静脈血に入って心臓に戻り、肝臓の動脈から肝細胞へ送られます。肝細胞はカイロミクロンを取り込んで、加工して脂肪細胞へ送るためにカイロミクロンより小さい粒子を作成します。つまり肝細胞は脂肪の加工工場というべき臓器で、加工工場には出荷までの少量の脂肪が在庫として存在します。

    少量で存在すればいいのですが、脂肪肝は肝細胞の脂肪の在庫が増えてしまった状態なのです。フランス料理の食材のフォアグラは人工的に作ったガチョウの脂肪肝です。

    次に、どのような場合に脂肪肝になるでしょうか?

    ダイエットで脂肪肝?

    脂肪の加工工場である肝細胞の脂肪が増える原因の一つに、出荷がうまくできない場合があります。肝臓で脂肪を加工して血中に出すためには、水に溶けない脂肪を包む蛋白質が必要です。日本の現状に当てはめれば、無理な自己流ダイエットの場合に脂肪肝になることがあります。

    ダイエットで糖質不足となると筋肉の蛋白質を糖質に変えて使います。長期間続くと結果的に肝臓が蛋白質不足となり、肝臓から脂肪を出せなくなって脂肪肝となるのです。

    栄養豊富で脂肪肝

    肝臓は働き者です。栄養豊富で材料が沢山あると、どんどん脂肪を作ります。しかし、血中への出荷には限度があります。食べ過ぎが長期間続くと皮下脂肪、内臓脂肪に加えて肝臓の脂肪も増加して脂肪肝となります。肥満の人に脂肪肝が多いのは確かです。

    飲酒で脂肪肝

    脂肪肝の原因で最も多いのが飲酒です。アルコールが肝臓で処理される時に脂肪を含む小さい粒子を沢山作ってしまうからです。飲酒の量が増えると脂肪肝になりやすくなります。

    脂肪肝にはならないと推定される量は男性では20g/1日、女性では10g/1日とされています。女性の方が少ないのは女性ホルモンの処理に肝臓を使うためにアルコールの処理能力が低いと推定しているから。ちなみにこのアルコール量は、ビールで中瓶(500ml)、日本酒で1合相当のいわゆる適正飲酒量に相当します。

    脂肪肝はどのような検査でわかる?

    肝臓の脂肪の量が増えたかどうかを病理学的に確実に確認する方法は、肝細胞を採取して標本を作成して顕微鏡で観察することです。この検査を「肝生検」と呼びます。健診では腹部超音波検査で指摘されることが多いです。健診では通常しませんが、腹部のCTscanでも確認する事ができます。

    脂肪肝の人はどれくらいいる?

    男女差があり、控えめに見て、男性の20%以上、女性の10%以上が脂肪肝と推定されています。肥満傾向のある人では当然、より高い数字となります。常習飲酒の方でも当然、より高い数字となります。脂質の代謝に影響が出やすい高血糖・糖尿病の人でも、当然、より高い数字となります。例えば、肥満傾向(BMIが高く)、常用飲酒者、血液検査で中性脂肪が高いと非常に脂肪肝の可能性が高くなります。脂肪肝と言われたらどう考えるべきでしょうか?その前に非アルコ-ル性脂肪性肝炎について用語の意味も含め知って下さい。

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