簡単に検査! 息でピロリ菌を発見できます
口から挿入する一般的な上部消化管内視鏡の先端部です。約9mmの直径にカメラレンズ、空気を送る孔(チャンネル)、組織を採取するチャンネルなどを備えています |
- ウレアーゼという反応を見る
- 顕微鏡で直接菌の有無を確認する
- 培養して調べる
このような専用のバッグに息を吹き込みます |
ただし、ピロリ菌が陽性と判定されたときに、すでに病変が進行していることもありますので、特に中高年層では内視鏡検査も併用したほうがよいかもしれません。医療機関によっては従来の胃カメラ・内視鏡の苦痛を軽減した、鼻から行う上部消化管内視鏡検査も可能です。詳細はリンク集「健康診断・人間ドック」の「苦痛が少ない鼻からの胃の検査」でご確認ください。
ピロリ菌除菌療法とは?
胃酸を強力に押さえるプロトンポンプ阻害剤、抗菌薬であるアモキシシリン(ペニシリン系抗菌薬)とクラリスロマイシン(マクロライド系抗菌薬)という3剤を毎日、1週間内服するのが標準治療です。このうちクラリスロマイシンは医師によって必要な量を判断しますので、治療にかかる薬価には個人差がありますが、おおまかな目安として1回の治療にかかる薬剤費は約1600~2100円(保険適用3割の場合)、これに加えて診察料やピロリ菌の検査費用などが必要となります。後発医薬品を用いると薬価を更に安く抑えることもできますが、後発医薬品の中にはピロリ菌の除菌療法として保険が適応されていない薬剤もありますので注意が必要です。また、中にはペニシリンにアレルギーがある方もいらっしゃるかもしれません。そのような場合にはペニシリン系抗菌薬であるアモキシシリンを用いずに、原虫(アメーバなど)に対する治療薬メトロニダゾールを代用することがあります。ただし、現在のところ国内ではメトロニダゾールを用いたピロリ菌の除菌療法は保険適用となっていません。
除菌が成功すれば胃・十二指腸潰瘍の再発を抑えるだけでなく、絶対的ではありませんが少なくとも胃癌の危険因子を1つ減らすことになります(概ね3分の1程度にまで危険性を減らすことができると言われています)。冒頭で示したように50代からはすでにピロリ菌に感染していることが多く、また若いうちに除菌するほど効果も高くなりますので、空腹時の腹痛や嘔気・嘔吐など消化性潰瘍の症状がある人は勇気を出して検査を受けてみてください。
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