ノロウイルス集団感染! 給食が一因?
norovirusは小型球形ウイルス(SRSV:Small round structured virus)と呼ばれていました。 |
感染後の潜伏期間は数日で、病期は数日間です。病原体を排出してしまう排菌期間は、症状が出る前から始まり、無症状になってからも数週間以上続きます。知らない間にウイルスをまき散らしてしまう状態です。
食堂や給食関係の調理者がノロウイルスに感染した場合、気が付かずに、排菌期間に調理して食物を汚染してしまう可能性があります。ノロウイルスの場合は少量のウイルスを摂取しても感染が起きてしまいますので、しばしば集団感染が報道されることになるのです。
診断結果がなかなか出ない…食中毒との類似性
ノロウイルス感染の症状の1つは吐き気と嘔吐です。嘔吐があるので黄色ブドウ球菌による食中毒と似ています。下痢も起こりますが、下痢は他の食中毒でもあります。血液検査を行っても、白血球(好中球)が増えていますので、検査結果からだけだと細菌感染と診断されることもあります。食中毒が疑われた場合、病原性大腸菌、サルモネラ菌、コレラ菌、赤痢菌などの検査を行います。細菌検査には培養時間が必要です。便の検査ではアデノウイルスとロタウイルスについては迅速検査を実施できますが、ノロウイルスには残念ながら現在、迅速検査の方法がありません。
黄色ブドウ球菌による食中毒は、症状が出るのが早い点を除けばノロウイルスと良く似ています。ただし黄色ブドウ球菌の食中毒が多いのは夏です。
冬に食中毒症状があり、アデノウイルスとロタウイルスの検査が陰性、時間てきには、培養時間のために後になりますが、細菌検査で菌がみつからないとノロウイルスの可能性があります。報道されている集団感染の確認には遺伝子を調べる特別な方法を用いていますが、大学病院も含めて一般の病院では通常は実施していません。ノロウイルスであると診断されるには時間がかかるのです。
>>次ページでは、ノロウイルスに負けないための3つの方法をご紹介します。>>